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シンガポールモザイク

2014年9月1日

似て非なる「粥三つ巴」

日本では、粥というと身体の調子がすぐれない時に食べるというイメージがある。しかし、こちらシンガポールでは日常的なメニューで種類も豊富。その中でもメジャーなのが、広東、潮州、台湾の3つの地域の伝統を受け継ぐ粥。食べすぎや二日酔いの時に何気なく粥を食べてきた人も、これからはしっかり違いを知って食べに行こう。

 

広東粥 Cantonese Porridge

具と一緒に煮込むなめらかな食感の粥

スクリーンショット 2015-06-30 6.23.13香港などでも親しまれている広東粥は、米と具を一緒に、米の形がなくなるまで煮込む。ねっとりとペースト状になったなめらかなご飯の中に具が入っていて、これだけで充分食事になる。
「米と煮込む具は豚の肉や腸、レバー、魚、ピータンなど。一番大事なのは米の味と香りですね。当店ではスープベースを使わず、米と水と具のみを土鍋で煮込み、具のうまみを引き出します」(Ah Chiang’s Porridge / Chinさん)。

 

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Ah Chiang’s Porridge

1970年創業の老舗。地元ティオンバル界隈はもちろん、遠くからも駆けつけるファンでにぎわう。さまざまな具入りの広東粥がある中で、一番人気は豚肉、レバー、臓物が入ったミックスポリッジ。店名は創業者Ah Chiang さん(写真右)にちなむ。シンガポールの粥業界で伝説の人と言われるAh Chiangさんは68歳の今も店を切り盛りしている。マネージャーのChinさん(写真左)は店の常連客から後継者となった。場所はティオンバルマーケットから徒歩約5分。

所在地:Blk65 Tiong Poh Road, #01-38 Singapore 160065
電話:6557-0084
営業時間:6:30~23:15

 

潮州粥 Teo Chew Porridge

米の形はそのままに塩味が効いた料理と相性抜群

スクリーンショット 2015-06-30 6.23.24一見、日本の粥を思い出させるシンプルな潮州粥。中国・広東省東部の潮州地域が発祥とされる。「調理しても米の形が崩れず一粒一粒残り、アム(Arm)と呼ばれる上澄み(重湯)を出すには、使う米は古くても新しすぎてもいけません。あっさりとしたプレーンポリッジは塩味を効かせたメニューが多い潮州料理に合います」(Lim Joo Hin Eating House/Tong Suan Toonさん)。潮州粥は潮州の言葉でムエ(Muay)と呼ばれ、野菜の塩漬け、卵の塩漬け、蒸し魚、スモークダック、フィッシュケーキ、味付け豆腐などと一緒に楽しむ。Lim Joo Hinでは60種類を揃える。

 

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Lim Joo Hin Eating House(Kheng Nam Lee Eating House)

創業者のTong Suan Toonさん(写真)夫妻。店名はLim Joo Hinのほか、今も隣に看板が残るTongさんの父親の時代の名前Kheng Nam Leeとも呼ばれて親しまれている。MRTティオンバル駅から徒歩約10分。Havelock Road とBeo Crescentの角にある。

所在地:715/717 Havelock Road, Singapore 169643
電話:6272-9871
営業時間:10:30~翌4:00

 

台湾粥 Taiwanese Porridge

さつまいも入りの粥は多彩な惣菜と一緒に

スクリーンショット 2015-06-30 6.23.39米の形が少しなくなるほどに煮込まれ、やわらかい白粥に鮮やかなオレンジ色のさつまいも。これが台湾粥の特長だ。「米はジャスミンライスと、日本型といわれるジャポニカ米と発祥が同じカルローズライス(Calrose Rice)の2種類をブレンドして使っています。さつまいもを入れることで、ほんのりとした甘さと香りある粥ができあがります」(GoldLeaf /Rose Hoさん)。粥と一緒にいろいろな惣菜を食べる。Goldleafでは名物三杯鶏(スリーカップチキン)、豚肉煮込み、タンバン(魚)の甘露煮胡麻和え、にんにくの芽炒めなど約70種の惣菜を用意。

 

 

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Goldleaf New Taiwan Porridge Restaurant

1971年にオーチャード・エリアのOxley Riseで創業、約20年前に現在のアモイ・ストリートへ。創業者のRose Hoさん(写真)は台湾へ出かけて最新の料理事情を調べ、店のメニューに加えるという。日本人にも人気で、沖縄のオリオンビールも用意。全120席、個室も完備。MRTダウンタウン線テロクアヤ(Telok Ayer)駅A出口から徒歩1~2分。

所在地:110 Amoy Street, Singapore 069930
電話:6324-8310 / 3268
営業時間:11:30~14:30 / 18:00~23:00

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.264(2014年09月01日発行)」に掲載されたものです。
文= AsiaX編集部

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