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やさしい中医学

2008年1月1日

手太陰肺経(てたいいんはいけい)

113-1経脈は臓器の肺から始まります。そして、臓腑学の説明で述べたように、陰陽の関係にある大腸へ繋がります。大腸は胃へ、胃は脾臓へと繋がり、最後に肝臓に辿りつくと肺に戻り、円を描くように巡回します。この順番に従い、肺経からご紹介します。

 

経脈は、内部で内臓と繋がっているものと、その内臓を出発点とし体表に現れるものとがあります。肺経の内部は中焦(消化器系)から始まり、下に向かって大腸に繋がり、上に戻って来て肺に至ります。さらに肺から喉(気管)を通り、鎖骨に沿って肩に向かい、肩に当たった処から体表に出てきます。鎖骨下、肩の付け根を出発点とし、親指の爪の付け根の外側の角に達するこの経脈上に、指圧、針灸等に使われるツボ(以下経穴と呼ぶ)が11点在しています。

 

咳、喘息、呼吸困難、咳血、風邪の諸症状(発熱、咳、痰、鼻水、鼻づまり等)、咽喉の腫れ・痛み、胸部の不快感(張り、悶)、臓腑学上の肺機能の低下

 

経脈の運行

鎖骨部の痛み、上腕部の痛み・こり、肩背痛

 

症状には肺に関したものと、経脈の運行場所に関したものがあり、臓腑学で見てきた臓腑別の症状と合わせて診ると、自分の症状がどの臓腑と関係しているかよりわかりやすいでしょう。

 

では実際にどの経穴を使ったらいいのでしょうか?まず肺に関する症状は、尺沢(しゃくたく)と太淵(たいえん)と言う経穴を主に使います。

 

太淵

てのひらを上にして腕を机の上に置いてみて下さい。この時、手首の、親指の付け根の窪みを押してみて下さい。ちょうど腱(一般にはよく「すじ」と呼ばれている)の外側になります。

尺沢

太淵から肘の内側(血液を採取する辺り)に向かってきた窪み。

 

これらの経穴を親指の先を使って「1、2、3」と圧すのを10~20回行います。症状の重度によりますが、一日数回、痛いけど気持ちいい程度で、皮膚を傷つけないように注意して行なって下さい。発熱、咽喉の腫れや痛みがある時は、少商(しょうしょう)です。

 

少商

肺経脈の終点です、親指の爪の付け根で、外側の方の角です。(人差し指側ではありません)

 

ここに、親指の爪で刺激をあたえます。1分位行なって下さい。血が出る位がいいのですが、衛生上消毒などの準備が必要ですので、注意して下さい。

 

経脈の運行場所の症状に対しては、その箇所をなでた後、指圧して下さい。

 

紙面だけではなかなかわかりにくいかもしれませんが、試してみて下さい。

文=島田久仁子(Kuniko TCM & Healthcare 中医師)

 

1991年来星。針灸師の教育を受け、診療所に勤務。「天気ヘルス」を設立し、太極拳、気功、骨格運動、家庭の中医学等、自己の治癒力を高める指導を始める。当地の厚生省による中医師及び針灸師国家試験制度の実施にあたり、新加波中医学院にて6年修業。国家試験を経て中医師及び針灸師として認定登録。新加波中医師公会会員。恩師曹光裕博士に師事。中華医院所属。現在「天気ヘルス」を「Kuniko TCM & Healthcare」と改め、上記の指導に加え健康相談及び治療を行っている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.113(2008年01月01日発行)」に掲載されたものです。

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