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やさしい中医学

2008年4月7日

足太陰脾経(あしたいいんひけい)

119-1前回述べた胃経脈とペア、つまり陰陽の関係にあるのは脾経脈です。中医学で言う脾臓の働きは、

 

  1. 食物を身体に摂取し易いよう消化する為の酵素を胃に送る事
  2. 食物から摂取した栄養と水分を身体に行き渡らせる事
  3. 血液が血管から必要以上に出ないように統制する

 

この3つです。その結果身体の各処、各臓器が正常な状態を保つと同時に、栄養を補い筋肉や粘膜を作ります。

 

つまり、脾臓が弱ると消化不良が起き、栄養失調、筋肉や粘膜の虚弱化が見られるようになります。これは、五行学から見て、脾臓と胃は筋肉や粘膜に関係している事の証明にもなります。五行学のグループ分けを覚えて理解していると、自分でどの内臓が弱っているのか解るようになります。そして、その内臓の経脈から指圧するツボを選べば良いわけです。また、栄養と一緒に水分も全身に運ばれているのですが、水分が身体に行き渡らなくなると、湿気となって身体に残り、浮腫や下痢の原因となります。

 

脾臓の血液に関わる作用としては、血糖値の調節、古くなった赤血球と血小板の分解、白血球や淋巴細胞等免疫反応をする細胞の生産を行います。胃で吸収しやすくなった飲食物は、小腸で吸収され各臓器の協力のもと、新しい血液を生産します。古い血液が残っていたのでは、新しい血液の生産に遅れが生じるので、脾臓で分解し排泄を促すのです。前回、身体を工場と例えましたが、食物という原材料から、栄養を摂取し血液という潤滑油を生産し工場の各部品に与え、機能を良好に維持、不必要な物質を汗、尿、便として排泄しているわけです。

 

脾臓の経脈は、足の親指の爪の付け根の内側(身体の中心側なのでこのように言う)を起点とし、足の側面を通って内股を通過し、腹に上がっていき、脇腹が終点となります。脾臓および脾経脈の運行部に見られる症状を以下に示します。

 

脾臓

嘔吐、胃痛、腹張、ゲップ、下痢、浮腫、身体の重量感、黄疸

 

経脈の運行

ももやひざの内側の冷感、足の親指の異常(麻痺、運動困難)、消化不良、ゲップ、腹張、胃痛、腹痛

 

上記のような症状には以下のつぼを指圧してみてください。

 

公孫

足内側の突出の前。婦人病、難産、産後の不調、男性科病、下痢、腹張などに。

三陰交

足の内側(親指側)のくるぶしより、指4本(人差し指から小指を揃える)上、骨のきわ。

注:妊産婦及び妊娠の可能性のある方は使わないで下さい。

 

親指の腹を使って指圧します。「手陽明大腸経(てようめいだいちょうけい)」も参照してみてください。

文=島田久仁子(Kuniko TCM & Healthcare 中医師)

 

1991年来星。針灸師の教育を受け、診療所に勤務。「天気ヘルス」を設立し、太極拳、気功、骨格運動、家庭の中医学等、自己の治癒力を高める指導を始める。当地の厚生省による中医師及び針灸師国家試験制度の実施にあたり、新加波中医学院にて6年修業。国家試験を経て中医師及び針灸師として認定登録。新加波中医師公会会員。恩師曹光裕博士に師事。中華医院所属。現在「天気ヘルス」を「Kuniko TCM & Healthcare」と改め、上記の指導に加え健康相談及び治療を行っている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.119(2008年04月07日発行)」に掲載されたものです。

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