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やさしい中医学

2008年5月5日

手少陰心経(てしょういんしんけい)

121心臓は、ある一定のリズムをもって、血液を身体に送り出しています。このリズムが脈です。1分間に何回あるかというのが、脈を計る目的のように捉えられがちですが、熟練した医師や看護に携わる方々は、個々の脈の違いをご存知のことと思います。「今日は昨日より元気になってる」「ちょっと力が足りないな」などと感じるものです。中医師は常に脈の状態をチェックし、患者の真の状態を把握し、治療方法を決定していきます。脈は心臓の動きだけではなく、心臓を作る筋肉、血液の質、精神状態などと関係しています。心臓に異常があると脈は、一定のリズムを取れなくなり、不規則になったり、一時停止したりするようになります。回数だけでなく、脈が指にどの様にあたるかを感じてみて下さい。

 

心臓経脈は、わきの下の窪み(熱を計る時に使う所)が起点となります。そこから上腕を通り、掌を通って小指の内側の爪の付け根に至ります。

 

さて、心臓は血液を身体に循環させる役割があるのですが、五行学、臓腑学を思い出して下さい。心臓は心志(心神)にも関り、精神のありかたや睡眠を司どります。運動した時だけでなく、緊張、心配、或は好きな人の前、ワクワクするような事に出合っても、鼓動に変化をきたします。また、心臓は舌に変化が現れ易く、舌が縮む、堅くなる、口の中に収まらない、或は舌の色が紫っぽい、赤い点々がある、舌に口内炎ができ易いなどの症状が現れます。その他、顔色が蒼白(血虚)、暗い紫(鬱血)、または心臓とペアの小腸にも、排尿時の痛み、突然尿意が起きる、尿の色が濃いなどの異常が見られます。

 

心臓

心臓部痛、咽喉の干き、渇き、白眼が黄色、動悸、不眠、多夢、健忘、精神不安、しゃべり難い、失語

 

経脈の運行沿い

肋痛、上腕内側の異常、掌の中心のほてり、小指の異常

 

上記のような症状には、以下のつぼを指圧してみてください。

 

少海

肘の曲げる側、横線端の小指側。心部痛、健忘、手の震え等に。

通里

手首付け根の小指側、親指分(1.5cm)肘寄り。

しゃべり難い、舌が堅く動かし難い、動悸、咽喉炎、扁桃腺炎に。

神門

手首付け根の小指側。

心部痛、健忘、不眠、動悸、目黄色、肋痛、掌中心のほてりに。

 

指の先の方の腹(爪の際)で、「1、2、3」と指圧し、これを1セットとして10~20回行います。肌を傷つけないよう注意して下さい。

文=島田久仁子(Kuniko TCM & Healthcare 中医師)

 

1991年来星。針灸師の教育を受け、診療所に勤務。「天気ヘルス」を設立し、太極拳、気功、骨格運動、家庭の中医学等、自己の治癒力を高める指導を始める。当地の厚生省による中医師及び針灸師国家試験制度の実施にあたり、新加波中医学院にて6年修業。国家試験を経て中医師及び針灸師として認定登録。新加波中医師公会会員。恩師曹光裕博士に師事。中華医院所属。現在「天気ヘルス」を「Kuniko TCM & Healthcare」と改め、上記の指導に加え健康相談及び治療を行っている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.121(2008年05月05日発行)」に掲載されたものです。

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