シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP小児の急性胃腸炎

ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2013年3月18日

小児の急性胃腸炎

小児科の外来で、下痢の患者さんの来院が増加しています。幼稚園や学校、家族内での流行、プールでの感染が疑われる例など年齢やライフスタイルによって一定の傾向がみられます。重症な患者さんは稀ですが、病初期の激しい嘔吐で水分や食事が十分に摂れず、点滴や入院になる患者さんも少なくありません。

食事療法について

ご家庭でのケアとして食事療法はとても大切です。下痢の際には消化に良い形で水分とカロリー、塩分を摂らせる必要があります。水分は塩分補給も考慮してイオン飲料などをこまめに与えましょう。食事については油脂や繊維分の少ないものを選びます。リンゴやバナナは消化に良いフルーツです。そして治っても数日は消化に良い食事を心がけてください。

検査と症状

便のウイルス検査では、ロタウイルスやアデノウイルス、ノロウイルスが多く検出され、時に複数の同時感染もみられます。一般的には整腸剤の内服と食事療法で数日以内に治癒しますが、激しい下痢が続いたり高熱を伴っている場合には注意が必要です。稀ですが細菌性の腸炎は重症感が強い印象があります。外来で迅速かつ正確な病原体の検出が可能なので、タイミングよく医療機関を受診しましょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.230(2013年03月18日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP小児の急性胃腸炎