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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2014年3月17日

小児期の貧血(鉄欠乏性貧血)について

 鉄欠乏性貧血は小児期の貧血でもっとも多くみられ(70%以上)、症状が比較的分かりにくく気付かれずに過ごしていることがあります。鉄欠乏性貧血は2歳以下の乳幼児と体重が急激に増加する思春期に多いのが特徴です。

 貧血の状態が長期にわたると、様々なトラブルのもとになるので注意が必要です。症状として顔色が悪いことは有名ですが、なんとなく不機嫌で不活発、食欲不振や体重増加不良なども見られます。一時的であればいいのですが、乳児の場合は発達遅延が起こり得るので問題になります。また年長児や学童では注意力散漫や学習力低下にもつながります。

 軽い場合には鉄分を含んだ食材の摂取を心がけるように指導しますが、血液検査でヘモグロビン値が10g/dl以下になると、鉄を補給するため薬剤の投与を考えます。

 食事への配慮や薬で、概ねヘモグロビン値の改善は良好となりますが、偏食などでなかなか回復しない方もいます。鉄分摂取のポイントとして、肉や魚は比較的鉄の吸収がよく、穀類や野菜、卵黄は吸収が悪いと言われています。ビタミンCは吸収効率を大きくアップすることが知られていますので、同時に摂取するよう心がけましょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.253(2014年03月17日発行)」に掲載されたものです。

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