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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2015年4月20日

消炎鎮痛剤と胃薬

 世界中で広く用いられている薬の一つである消炎鎮痛剤。この消炎鎮痛剤には胃薬が併用されることがあります。ご存知の方も多いと思いますが、消炎鎮痛剤は体調や体質によって胃が荒れるという副作用を持ち併せているため、胃薬を一緒に飲むことが多いのです。

 ではなぜこのような副作用が起こるのでしょうか。痛みや炎症を起こさせる物質は胃粘膜の保護作用も併せ持っています。消炎鎮痛剤は痛みや炎症を起こさせる物質が作られるのを抑制し症状を和らげますが、同時に胃粘膜の保護作用の方も減弱してしまい、胃の不快感や胃痛が起こりやすくなります。

 長期で消炎鎮痛剤を服用しなければならない場合

や、もともと胃の弱い方、高齢者などは胃粘膜障害が起きやすいため、胃薬の併用を推奨します。また最近では、胃粘膜の保護に影響を与えにくい消炎鎮痛剤が開発され、広く使用されるようになりました。

 よりよい効果が得られるように個人の症状にあった消炎鎮痛剤が処方されます。服用の指示を守り、空腹時を避けてコップ1杯程度の水または白湯で服用するようにしましょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.278(2015年04月20日発行)」に掲載されたものです。

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