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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2012年5月21日

「住まい選び」=「お婿さん選び」?

「シンガポールで住まいを選定する際のキーポイントは?」と聞かれると、「お婿さん選びのようなもの」とお答えしています。要は、

 ・パーフェクト・チョイスを見つけることは、ほぼ不可能に近い

 ・「見てくれ」より「性格(=家主の対応の良し悪し)」が大切ではありませんか

という事です。

住まい選びの必要条件になるポイントを列記してみます。

1. 優先順位をつける

家賃(予算)、寝室数・面積、ロケーション(通勤、通学、通塾、買い物、通院等の便、MRTやバスへのアクセス)、築年数、向き、内装・家具備品、低層か高層か、守衛・防犯設備、リクレーション施設、段差や転落対策、湯量やバスタブの有無、インターネット設備状況、駐車場無料か、ペット可か、日照とエアコンのキャパシティ/メンテナンス状況、等々、お住まいになられる方のニーズによって、様々な条件が考えられますが、希望を100%を満たすものが手に入るケースは稀です。

2. 第2候補、第3候補も選ぶ

「あとにも先にもこの物件しか無い」といった選択方法だと、契約交渉が極めて困難となります。第1候補を口説き落すためにも、必ず第2候補・第3候補を予め選んでおきましょう。

3. 家族のニーズが最優先

家に一番長くいる奥様・お子様のニーズを最優選に考えましょう。また、奥様・お子様の交友・ご近所付合い(人間関係)への配慮を、忘れがちです。概して、総戸数が大きいコンドミニアムでは、日本人居住者も多くなります。小さいところは、その逆ですが、どちらが良いかは、ご家族次第です。

4. 見栄えに目を眩まされない

恵まれない住宅事情の日本から赴任すると、シンガポールのコンドミニアムの「見栄え」に圧倒されがちです。しかし、お嫁さん・お婿さんを外見だけで選びますか?賃貸住宅の場合、なかなか事前には判定し難いですが、家主の良し悪しが、ハードウェア以上に重要です。前のテナントさんから評判が聞ければラッキーですが、退去済みのケースがほとんどでしょう。そんな場合にも、登記簿謄本(居住所のみならず、コンドミニアムの抵当権有無などもわかります)を取ってみたり、ウェブで家主氏名をサーチしてみると、いろいろわかります。シンガポール国外に家主が居住している場合、修理等に誰が対応するのかも、事前に確認しておく必要があります。

ご帰国が決まったある駐在員の方に、退去されるコンドミニアムの印象を聞いたところ、その答えは、「家主さんが親切で、それが最も印象に残った」でした。筆者も同感です。

 

文=木村登志郎(パシフィック不動産株式会社CEO)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.212(2012年05月21日発行)」に掲載されたものです。

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