2004年7月6日
『夏の庭―The friends』湯本香樹美
小学6年生の夏休みに町外れに住む一人暮しのおじいさんを観察する主人公とその友達2人。そんな子ども達3人とおじいさんとの交流の物語。
200ページという薄い本の中に、これでもかと詰めこまれている主人公たちによるひと夏の思い出たち。それは自分が子どもの頃に体験した夏とは違うはずなのに、何故か懐かしさを覚えるのが不思議だ。
「人の死」という重くなりがちなテーマながら、お涙頂戴ではなく静かな感動に浸れる作品。同じく新潮文庫より出ている『ポプラの秋』もオススメ。
新潮社(新潮文庫)
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.001(2004年07月06日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール本店 古矢