シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP『太郎物語 高校編、大学編』曽野綾子

紀伊国屋「おすすめの1冊」

2004年8月23日

『太郎物語 高校編、大学編』曽野綾子

photo-14主人公山本太郎の悩み多き青春の日々を、ユーモアをまじえて爽やかに描いた作品。高校編では進学問題、失恋、友人の兄が引き起こした心中事件とさまざまな出来事が渦巻く青春という季節を、時には大胆に時には軽薄を装いながら明るく誠実に生きようとする姿が描かれている。そして大学編では、ある地方の大学に入学し一人暮らしを始めた大学生活1年目の様子が、自分とは異質なものを許容し受け入れる「コツ」を獲得してゆく過程として描かれている。借り物ではない自分自身の考えでひたむきに問題に対処しようとする姿勢には何度読みかえしてみても共感をおぼえる。世代を越えて、親子で読んでいただきたい作品。

 

新潮文庫

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.008(2004年08月23日発行)」に掲載されたものです。
文=秋山

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