シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP『社長が贈り続けた社員への手紙』渡邉美樹

紀伊国屋「おすすめの1冊」

2007年1月15日

『社長が贈り続けた社員への手紙』渡邉美樹

photo-16日本有数の居酒屋チェーンであるワタミ。本書はそのワタミの創業者であり社長でもある渡邉美樹氏が全社員に贈り続けた44編の手紙を紹介したものの文庫版。

手紙では仕事を通じての生き方、日頃の姿勢についても、社員に向かって真っ直ぐに言葉を投げかけている。時には厳しい言葉を投げかけることもある。不祥事も改善できるためなら情報を開示することも厭わない。実際一般の人も読む本に載せてしまっていいのかと、人ごとながら少し心配なくらい。とにかく著者がものすごく熱血な人なのだと分かる。

例えば、著者が前書きで記している経営目的の一つが「会社の繁栄、社員の幸福、関連会社、取引先業者の繁栄、新しき文化の創造、人類社会の発展、人類の幸福への貢献」である。はっきり言って本気で思っているなら大風呂敷を広げているか、とんだ夢想家のどちらかだ。しかし本書を読むとよく分かるのだが、この人は本気。そして達成すべく社員に月2回も手紙で語りかけているし、叱りつけているらしい。とにかく凄い、皮肉じゃなくて素直にそう思う。さすがは高杉良の『青年社長』のモデルとなるだけはある。

最近、仕事に対して気持ちが緩んでいるとお思いの方、是非読んでみてください。襟をを正さずにはいられない情熱と厳しさを感じとれます。

 

中経出版

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.090(2007年01月15日発行)」に掲載されたものです。
文=茂見

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP『社長が贈り続けた社員への手紙』渡邉美樹