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2008年1月28日

『生物と無生物のあいだ』福岡伸一

photo-20「生命という名の動的な平衡は、それ自体、いずれの瞬間でも危ういまでのバランスをとりつつ、同時に時間軸の上を一方向にたどりながら折りたたまれている。それは決して後戻りのできない営みであり、同時に、どの瞬間でもすでに完成された仕組みなのである…」

「心の奥底に一気に辿りつく言葉」というのが時にある。そんな言葉は大抵思いもかけずにやってくる。そして大概「書き留めておこう」と思うとメモ用紙が無かったりする…。まぁそれはどうでもいいのだが、福岡伸一という分子生物学者の言葉を初めて聴いた時もそんな衝撃を受けた。

今回ご紹介するのは、その福岡伸一が書いた『生物と無生物のあいだ』。昨年、サントリー学芸賞を受賞、ベストセラーとなった本書。科学者が書いたとは思えない、いや科学者だからこそとも思える哲学的な文章で、「生命とはなにか」という命題について挑み続ける科学者達の歴史を、そして福岡伸一自身の想いを描いていく。

その言葉の一つ一つは、分子生物学というミクロの世界の中で交わされる言葉だが、広がりを持って心に沁みてくる。

 

講談社

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.115(2008年01月28日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 里見

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