2009年1月1日
『旅する力』沢木耕太郎
沢木耕太郎の代表作と言えば、『深夜特急』と答える方もきっと多いことでしょう。私も高校生になったばかりの頃、『深夜特急』を読み見知らぬ場所、国へ行ってみたいと大いに心を駆り立てられたのを思い出します。
そんな沢木氏の新刊『旅する力』は、深夜特急の旅の裏側を描いた本。沢木氏がどうして旅へ向かったか、旅とは何なのか……副題の『深夜特急ノート』の通り、まさにこれが深夜特急の最終便として描かれています。
少し関係がありませんが、装丁に使われているカッサンドルの絵が大変素晴らしく、深夜特急シリーズの最終便にふさわしい装丁になっていると思います。
新潮社
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.137(2009年01月01日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 里見