シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP『ぼくと1ルピーの神様』ヴィカス・スワラップ

紀伊国屋「おすすめの1冊」

2009年6月16日

『ぼくと1ルピーの神様』ヴィカス・スワラップ

photo-6映画『スラムドッグ$ミリオネア』の原作本。インドが舞台の物語で、著者のヴィカス・スワラップもインド人。これがデビュー作とのことである。

ある少年が逮捕されるところから、この物語はスタートする。理由は、「十億は誰の手に?」というクイズ番組に出場して、全問正解を成し遂げ、十億ルピーの賞金を勝ち取ってしまったからである。

「貧しい少年が、難解なクイズに回答できるわけがない。何らかの不正を働いたに違いない」これが逮捕された理由である。ただし、少年がクイズに答えられるには、彼の境遇ゆえの理由があった。

13問連続で回答することによって、十億ルピーの賞金を得ることができるこの企画。クイズの問題ごとに章が分かれていて、それぞれ「なぜ答えられたか?」の謎解きが行われる。その種明かしが痛快で、各々散らばっていた謎が、最後に全て回収される場面は驚嘆する。まさしく、一気読み確実である。

 

ランダムハウス講談社

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.147(2009年06月16日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 氏家

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