シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP『リンゴが教えてくれたこと』木村秋則

紀伊国屋「おすすめの1冊」

2009年7月6日

『リンゴが教えてくれたこと』木村秋則

photo-5「自然には何一つ無駄なものはない。私は自然が喜ぶようにお世話をしているだけです……」

NHKの「プロフェッショナル、仕事の流儀」に出演以来、全国的に話題を呼んでいるリンゴの無農薬・無肥料栽培。私自身、全く知らなかったが現在のリンゴを農薬ナシで育てるというのは農業の常識で言えば考えられないことだったそうだ。私のような素人は、「太古の昔から、まさにアダムとイブの時代からリンゴの木はある訳だから、農薬なんて無くても、形、味等にそれほど頓着しなければ勝手に出来るのではないのかな」と思っていたのだが、それが全く出来ないらしい……。

その絶対不可能といわれるリンゴの無農薬・無肥料栽培に挑んだのが本書の著者である木村秋則さん。その「奇跡のリンゴ」が実るまで、何年もの無収入(無収穫)時代を経験し、家族にも迷惑をかけ、死のうと決心までした著者の苦難の日々と、そして、そういった日々があったからこそ正面から見つめることの出来た自然へ想いが本書を通して伝わってくる。

 

日本経済新聞出版社

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.148(2009年07月06日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 里見

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