シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP『地図が読めないアラブ人』アルモーメン・アブドーラ

紀伊国屋「おすすめの1冊」

2010年12月6日

『地図が読めないアラブ人』アルモーメン・アブドーラ

photo-13この新書の特徴は、エジプト出身の著者が、自身の学んだ日本語で書いたということである。

著者は、21歳で初来日。学習院大学文学部を卒業、NHKラジオアラビア語講座の講師を務めた経験があり、アラビア語学習書の著作もある。

著者自身が日本で感じた日本人の特徴、文化や習慣の違いなどを、アラブの文化と比較して考察している。その上で、どうすればアラブ人と良いビジネスができるのか、理解し合えるのかを論じている。

最も感心させられることは、まず自身のアイデンティティに誇りを持つこと。その上で、他の文化を尊重している、著者の一貫した姿勢である。著者自身の立ち位置がはっきりしているからこそ、読み応えがあり、興味深い内容となっている。第三者の翻訳に頼らず、あえて著者自身の日本語で書かれているということに、価値がある一冊であると思う。

 

小学館/ISBN:9784098250936

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.180(2010年12月06日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 氏家

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