シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP『インシテミル』米澤穂信

紀伊国屋「おすすめの1冊」

2011年12月5日

『インシテミル』米澤穂信

photo-13日本では映画にもなっていたようだが、何となく買って読んでみた。ミステリだということも知らなかったが、ところどころに粗さは見えるが、久しぶりに夜更かしして一晩で読み終えてしまった作品だった。

物語は、アルバイトの求人広告から始まる。求人広告を見て集まった12人の男女。ある人文科学的実験の被験者になるのが業務内容で、その他の事前情報は与えられない。

普通だったらそんな職には就きたくないが、法外と言える高額の時給を提示されたためか、全員が実験に参加することになる。実験のための施設「暗鬼館」で迎えてくれるのは、12体のインディアン人形。そして、殺人を犯した者には報酬が増えるという条件が提示される。

インディアン人形が登場した時点で、何となく先が読めるが、それを差し置いても面白かった。本格的なミステリではないが、次の展開が気になって読み終えるまで眠ることができない作品。

 

文藝春秋/ISBN:9784167773700

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.202(2011年12月05日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 茂見

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