2014年7月21日
『生まれた時からアルデンテ』平野紗季子
本好きの同僚がべた褒め、かつネット界隈の評判もいい、どんなものかと仕入れてみた本。これはかなり面白い!
論理をすっぽかして感覚で突っ走る文章、なんとなく『富士日記』の武田百合子さんを思い起こさせます。好きと嫌いがむき出しになっている文章は、魅力的。帯に「これが平成生まれの食文化だ!」とありますが、その語り口、みずみずしい感性こそ声を大にして喧伝すべきものなのではないだろうか、と思ってしまいました。
構成も自由気儘で、なんとも紙で読む楽しさにあふれた本でもあります。
平凡社/ISBN:978-4582836608
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.261(2014年07月21日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 河合