シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOPシンガポールからの社会貢献、最初の一歩。

文化

2008年10月6日

シンガポールからの社会貢献、最初の一歩。

SnapCrab_NoName_2015-6-18_11-57-50_No-00

ここで、ひとりでもできること

ONE Singapore

p1 (36)

ONEは、世界の貧困撲滅を呼びかけるアドボカシー(擁護)及びキャンペーン団体。

U2のボノ氏らが設立に関わり、北米をはじめ、日本やシンガポールを含む世界各国に支部を持つ。各国のセレブ達もボランティアでキャンペーン映像制作に参加した。

世代、生い立ちの異なる様々な人々が一丸となり、現在世界中で240万人以上ものメンバーが登録している。政策の専門家、産業界のリーダー、そして各界著名人らとともに、世界の特に貧しく脆弱な地域で発生している疫病・飢餓・貧困などの問題を撲滅するために、世界の指導者たちが実行可能で長期的な解決策となる計画に乗り出すよう、呼びかけている。これまでの活動を通じて、過去5年間に290万人ものアフリカの子どもたちが初等教育を受けられるようになり、200万人以上のアフリカのHIV感染者が命を落とさず、有効な治療を受けられるようになった。

p3 (9)

タビサ財団は、1994年にカナダ人の Janne Ritskes氏によりカンボジアに設立された。氏は、アメリカ、フィリピン、ケニア、カンボジア各国で教育者としてNGOに勤務するも、行き届かない現実とのギャップを感じ、カンボジアにて自ら財団を立ち上げた。今でもカンボジアに暮らし、シンガポールの他、アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスにある支部と共に積極的な活動を続けている。

現在、主な活動内容は、カンボジアの中でも特に貧困度が高い村落の自立支援。具体的には、簡易家屋の建設、衛生的な水源確保のための井戸掘り、技術指導によって生産される手工芸品の販売、将来設計を促すために子豚を寄贈して各家庭で飼育させたり、10週間で10%の利子が得られる小額の定期貯金を奨励するするプログラムなどがある。過去約15年間の間に、50万人もの人々がその恩恵を受けて来たと言われている。

この中で、特に注目したいのが、簡易家屋建設のプログラム。海外からのボランティア達の寄付と労働力によって、衛生的でプライバシーのある家を建てるべく、現地の村人と共に取組むもの。これまでに、5000人を超えるボランティア達が参加し、2000戸が建てられた実績がある。その有意義な活動を聞きつけ、企業が社員研修の一環として訪れることもある。それぞれグループを組織して、建設に必要な材料費、渡航費の募金を集めてからカンボジアに渡っている。個人として参加したい場合は、定期的にボランティアを派遣しているシンガポール内のグループに加わることもできるのでお問い合わせを。また、寄付金もウェブサイトで常時受け付けており、前述の子豚2匹の寄贈はS$60、3~4家族が共用できて農作物の生産にも繋がる井戸の寄贈はS$152、簡易家屋一戸の材料費S$1,300など、具体的に用途を選べる。寄付金がタビサ財団に届くと、寄付証明書が送られてくる。

Stand Up & Take Actionキャンペーンin Singpaore」開催

SnapCrab_NoName_2015-6-18_12-1-29_No-00

 

SnapCrab_NoName_2015-6-18_12-2-29_No-00

問い合わせ先:Ms Adeline Yeo foundation@parmon.com

 

p4例えば、コーヒーを一杯買う度に、インド内地の貧しい農村の学校に通う子供へランチが1食提供される、または、車を1台1日レンタルすると、カンボジアの孤児院の子供全員に1日分のミルクが届けられるとしたら。そんな、日常生活を普通に過ごしながら日々社会貢献を継続して実現させてくれるのがBuy1 GIVE1のコンセプト。

1日US1ドル、1年US365ドルの年会費を納めると、企業はBuy1 GIVE1の会員になれる。会員企業は、Buy1 GIVE1のロゴを自社の商品やサービスに使用でき、その売上げ数に応じた寄付金を指定したチャリティーに定期的に支払う。消費者は、ロゴが入った商品を購入したことで、その支払い金額の一部が特定のチャリティーに寄付されることがわかる。貢献するプロジェクト、1回の寄付金額などは、Buy1 GIVE1が厳選して提携している500以上ものチャリティーのプロジェクトの中から、企業が選定する。売上げ数に応じた金額の寄付金は Buy1 GIVE1を通して、または直接指定のチャリティーに送金するしくみになっている。年会費はBuy1 GIVE1の運営費に当てられるが、寄付金から手数料などを引かれることはない。

Buy1 GIVE1は、社会的企業(ソーシャルエンタープライズ)の事業として、利益の追求よりも、企業として社会貢献がどれだけ達成できるかに重点を置いている。チャリティーと企業活動を繋げる役割をBuy1 GIVE1が果たすことで、従来の機能価値のみを追求する消費行動にエモーショナルベネフィット(感情充足価値)が付加され、それに関わる消費者、経営者、従業員の中にブランド意識が高まり、ロイヤリティーにも繋がるため、そのマーケティング効果も注目されている。

Buy1 GIVE1について、提携するチャリティの詳細などはBuy1 GIVE1ウェブサイトへ。

SnapCrab_NoName_2015-6-18_12-5-4_No-00 SnapCrab_NoName_2015-6-18_12-5-22_No-00 SnapCrab_NoName_2015-6-18_12-5-35_No-00 SnapCrab_NoName_2015-6-18_12-5-51_No-00

 

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.131(2008年10月06日発行)」に掲載されたものです。
文= 桑島千春

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOPシンガポールからの社会貢献、最初の一歩。