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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2018年6月28日

熱中症のリスクと対処法

シンガポールは熱帯雨林気候に属し、年間の平均気温は26~27度、湿度は時に100%に達します。こうした高温多湿の環境において多い症状のひとつが熱中症です。熱中症とは暑い環境下で生じる健康障害の総称です。気温が高い、湿度が高い、風が弱いなどの要因に加え、高齢者や乳幼児、そして糖尿病疾患などがある人は特に注意する必要があります。

 

熱中症のさまざまな症状は脱水症によって誘発されます。「親指の爪を押し白くなった後、通常の色に戻るまでに3秒以上かかる」「手の甲の皮膚を引っ張ると元に戻るまでに3秒以上かかる」「舌の表面がザラザラしたり、赤黒い色になったりする」「手足が冷たくなっている」など、脱水症の兆候が現れた時は、十分な水分・塩分補給や適切な場所での休息で体調を回復させましょう。水分補給は通常のミネラルウォーターよりも塩分や糖分が含まれたスポーツドリンクの方が体内の電解質を整えるのに適しています。スポーツドリンクが手に入らない場合は、1ℓ当たり塩1~2g、砂糖20~40g(大さじ2~4杯)を加えた水で代用することも可能です。一度に飲むのではなく、30分にコップ1杯程度のペースで飲むと良いでしょう。

 

(参考:日本救急医学会『熱中症診療ガイドライン2015』 ほか)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.335(2018年7月1日発行)」に掲載されたものです。

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