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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2018年4月26日

2018年版・住まいの不具合TOP10

■ マンションの劣化ペースが日本の倍速?
通年高温多湿、太陽の強い熱射、さらには、海からの塩害などが主要因と言われています。

 

■ 入居後1ヵ月の保証期間を見落とし無く
一般的な賃貸契約では、入居後1ヵ月間の修理は、初期不良として全額家主負担となっていますが、これを見逃すと、借手負担が生じます。「一回も使用しなかったので、気づかなかった」と主張しても免責されませんので、ご注意下さい。

 

1.エアコンからの水漏れ 常夏のシンガポールではエアコンは必需品。使用頻度が高く、また、直下に排水する日本とは異なり、配水管が緩い傾斜でトイレなどの離れた場所に繋がっているため、構造的に詰まりやすくなっています。エアコンからの水漏れは配水管途中で起こる事が多く、水が透明で冷たいのが特徴です。

 

2.天井や壁からの漏水 上水管(通常、銅製)の腐食で漏れる場合、常時水圧が掛かっているので、一定ペースで漏れ続けるのが特徴。水はきれいで無臭。上階や外壁からの漏れや浸み込みは、水が透明ではなく、臭いがする場合も多いようです。排水や雨水が原因。

 

3. 照明器具の不具合 電圧が230ボルトと高いので、概して電球の寿命は短くなります。また、気温が高い為、照明器具内部にこもる熱で部品の劣化も早いようです。

 

4.家電製品(洗濯機、乾燥機、オーブン) 当地では、横入れタイプの洋式洗濯機が一般的です。生地を傷めにくく、また、節水性能が高いのが特長。弱点は、無理して衣類を詰め込むと、回転軸が壊れること。特に洗濯・乾燥一体型は弱いようです。容量を守って使いましょう。洗剤も、泡の出が多いタイプは使えません。また、欧米人のもう一つの必需品であるオーブンは日本人には余り人気が無いのですが、まったく使わないとヒーター部分が壊れてしまい、退去時に高額のクレームにつながります。

 

5.水周り器具の故障(蛇口など) 蛇口などからの水漏れを放置しておくと、流し台の中を浸食・腐食させてしまいます。

 

6.トイレの不具合 トイレタンクのサイフォンの不具合(水が止まらない、あふれる、など)。経年劣化です。

 

7.虫・カビ 熱帯の高温多湿が主原因。なお、当地はシロアリも少なくないので、それらしきものを見つけたら直ちに家主に報告しないと、放置責任を問われます。シロアリ被害は、急速に進行するため、被害額も高額になります。

 

8.電池交換 気温が高いこともあり、液漏れは日常茶飯事。玄関のオートロック、空調器のリモコンなどの電池は6ヵ月ごとに交換しましょう。オートロックが全損すると、交換費用がS$1,000近くかかります。

 

9.ドアの反り ドアの材質にもよりますが、ドアの内外の湿度差で「反り」が発生してドアが閉まりにくくなります。

 

10.大理石のシミ 冬が無い当地では、床材などに冷たい感触の大理石が好まれますが、コーヒーや赤ワインなどでシミが出来ると、脱色に多額の費用が掛かる場合もあります。

文=木村登志郎(パシフィック不動産株式会社CEO、シンガポール宅建士)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.333(2018年5月1日発行)」に掲載されたものです。

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