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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2018年1月29日

腎盂腎炎(じんうじんえん)について

腎盂腎炎とは、膀胱から菌が逆流することによって引き起こされる腎臓の感染症です。適切なタイミングで治療を行わないと、菌が血液中に侵入し、いわゆる敗血症から入院になることもあります。

 

日常の診察室では、特に女性から排尿に関する相談をよく受けますが、その中でもっとも多いのが、排尿時の痛みや頻尿、残尿感など膀胱炎によるものです。患者さんが自分でも膀胱炎ではないかと疑って来院され、自覚症状や尿検査などから膀胱炎の診断に困ることはありません。一方、腎盂腎炎は寒気とともに38度を超える高熱が襲ってくることもあり、高熱やだるさに気を取られて、なかには風邪やインフルエンザだと思い込む患者さんも多いようです。しかし、腎盂腎炎には“くしゃみ”や“鼻水”といった風邪の症状はありません。腎盂腎炎を疑うときには、背中を軽くたたいて左右を比べてみると役にたちます。腎盂腎炎を起こしている片側の背中をたたくと響くように痛むといった特徴があります。

 

腎盂腎炎の治療は、第一に、抗菌薬などを早めに服用すること、次に水分を多く摂って尿から菌を排出することです。また、予防のためには、膀胱炎の症状があったら軽くみずに早めにしっかり対応することも大切です。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.330(2018年2月1日発行)」に掲載されたものです。

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