シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP不動産探しで注意したい、旧正月(春節)の影響:2018年

シンガポール不動産「耳寄り情報」

2018年1月28日

不動産探しで注意したい、旧正月(春節)の影響:2018年

日本の正月は西暦で祝いますが、中華文明圏の国々、すなわち中国・台湾・韓国・北朝鮮・ベトナムなどでは現在も旧暦で祝います。当地では、今年の旧正月元日である2月16日(金)と、翌17日(土)が祝日となります。

 

 

近年の日本と同様に、商業施設では旧正月2日目から営業再開するところも多いのですが、不動産関係者の多くは1週間ほど休業するため、不動産探しや改装工事・修理などにも大きく影響します。特に住宅関係では、家主や家主側エージェントの大半が中華系で、大晦日15日(木)から22日(木)あたりまでは実質休業となり、例年2月~4月に起きる日本人駐在員の「家探しのピークシーズン」に重なってしまいます(日系企業の年間人事異動のほぼ半数が、2月~4月に集中します)。

 

住宅賃貸
今年の住宅探しの「ラッシュ・アワー」は、2月中旬ごろの旧正月前後はほぼ動きが取れないことから、例年より早めの1月後半~2月早々にはスタートし、旧正月直後から3月初めに特に集中するものと予想されます。

 

既存契約の「更新」交渉は早めが有利
住宅探しにおいても、「ラッシュ・アワー」の対策はずばり「時差通勤」。すでに借りている住宅の契約満期がこの時期で、更新を希望する場合は、より早めの交渉開始が借り手にとって有利。早めに交渉すれば、部外者からの入居オファーに先んずることができます。

 

新規の家探しを有利に進めるには「即入居」が有利
家主にとって空室期間は損失で、一般的には待っても1ヵ月。ピーク時期は、2週間程度しか待ってくれない場合も多く、見込み客の間で競り合いになった場合「即入居」に近いほど交渉が有利です。ただし、旧正月前だけは例外で、家主も春節には枕を高くして寝たいため、1ヵ月半程度まで待ってくれるようです。

 

年度末帰国者物件は、入居可能時期に要注意
お子様のいるご家庭では、終業式を終えて3月末に帰国されることが多いのですが、その空き物件に補修工事をして新規入居可能になるまでには、退去後約半月を要します。新しい入居者が家主の口車に乗せられて慌てて入居すると、未修理による不具合のために後悔することもあります。

 

また家族帯同の場合、お子様が通う学校や幼稚園の場所、スクールバスのルートや空席の有無も住宅立地を選ぶ上で重要になります。

 

オフィス賃貸
旧正月の時期にはやはり大きな影響を受けます。オフィスの内装工事(新装・原状復帰工事)の職人はマレーシアや中国からの出稼ぎが多く、帰省で半月ほど不在にするのが通例。さらに、旧正月前に引渡す案件に労力を集中するため、1月後半から2月末まではオフィスの内装工事の発注が大変難しくなります。年度替りである4月1日の業務開始が必須条件である場合は、当初はサービス・オフィスのご利用を推奨します。

文=木村登志郎(パシフィック不動産株式会社CEO、シンガポール宅建士)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.330(2018年2月1日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP不動産探しで注意したい、旧正月(春節)の影響:2018年