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2017年9月29日

ゲイラン

そろそろ話を現代に移そう。シンガポール人が「ゲイランには安くて美味しい店がたくさんある」というのはこの西側を指し、蟹料理で有名なノーサインボード・シーフードの本店などを擁する。ぜひ挑戦してもらいたいのは、エミネント・フロッグ・ポリッジ(写真❹)。カエル……!?と怯えることなかれ。カエルは臭みもなく、味は淡白。ダーク・ソイソースとともに煮込んであり、照り焼きのよう。とろとろに煮込んだお粥とともにいただく。また、ゲイラン・クレイポット・ライス(写真❺)もおすすめだ。鶏肉や青梗菜を一緒に炊き上げた名物の土鍋ご飯を、スタッフがテーブルで混ぜ合わせてくれる。パリッとしたおこげが絶品。

 

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❹エミネント・フロッグ・ポリッジ
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❺ゲイラン・クレイポット・ライス
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326web_IMG_0757こうした下町っぽさを好んで、ゲイランに移ってくる若者が増えている。たとえば2016年、ゲイラン・リバー沿いにオープンしたザ・タックショップ(写真❻)。5人のゲイラン住まいの若者が、「ローカルのためのバーを作ろう!」というアイディアで一致。「ホーカーや昔ながらの溜まり場のようなスペースではなく、もっとモダンな社交場にしようと思いました」と広報のシャーリーン・チューさん。バラエティに富んだクラフトビールが揃う(ドラフトも!)。トリュフ塩のかかったフライドポテトをつまみに、オープンスペースで外の空気に当たりながらビールを飲んでいると、ここがゲイランであることを忘れてしまうほど落ち着いた空間だ。

 

 

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❻ザ・タックショップ
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また、ゲイラン・ロード沿いにありながら見落としてしまいそうなほどひっそりとした間口の(実際、初来店の客の多くはなかなか見つけられない)ザ・パニック・ルーム(写真❼)は、知る人ぞ知るお洒落バーバー。床屋スペースに加え、所狭しとポマードやシェービンググッズ、レコード、ロックTシャツなどが並ぶ物販スペースも。「広さがちょうどよく、街の端っこというロケーションが気に入ってここにしたの」とスタッフは話すが、街のディープさに店の独特な雰囲気が合っている。DJイベントが不定期で開催されることもあり、サブカルチャー好きの若者に人気のスポット。

 

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❼ザ・パニック・ルーム
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「この街の景観は残したい」と彼らは口を揃える。高層ビルが並ぶ「シティ」とは違う当地の一面。レッドライトばかりが強調されがちだが、この下町っぽさの中に、新しい流れが確実にある。夜間の女性の一人歩きは気をつけたいものの、必要以上に警戒することはない。下町の新旧の味わいを楽しんでいただきたい。

 

ゲイランのおすすめスポット
内外のギャップに驚く「ザ・ロロン・24A・ショップハウス・シリーズ」

1920年代に建てられた、Lorong24Aに並ぶ8棟のショップハウスの保存を目的に始まったプロジェクト。ファサードは国指定の保存建築ゆえそのままに、内部をリフォームし、スペース貸ししている。ギャラリーとして使われたり、イベントに用いられたり、時にはAirbnb利用でゲストを迎えることも。見所は、ファサードと内部の趣のギャップ。すっきりとした白壁がモダンな空間や、赤い昇り竜のような階段など、レトロな外観の建物の扉をくぐるとこんな世界が待っているとは、なかなか想像できない。メールで内見予約し、建物見学に訪れるのもOK。

 

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住所 : Lorong 24A Unit5, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21 Singapore
Lor24ashophouseseries@gmail.com
http://www.thelor24ashophouseseries.com

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.326(2017年10月1日発行)」に掲載されたものです。

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