『シンガポール スマートな都市、スマートな国家』 ケント・カルダー、長谷川 和弘著

アメリカを代表する日本・東アジアの政治経済の専門家が描き出す、東南アジアの先進都市国家シンガポール。この国の歴史や制度を、アジア人ではない一歩引いた視点で解説しています。例えば日本の年金に似て非なるCPF（中央積立基金）について、現状の運用方法だけではなく、かつての宗主国イギリスの置き土産であり、それを上手く改定した背景まで説明。在星邦人にとって必ずしも必須とは限りませんが、働く上でこうした知識は大切であり、なかなか得難い情報です。
手放しでスマートな国家を褒めているわけではなく、“実験室”としてシンガポールの将来を問う本書は、個人的にも興味深い一冊です。
中央公論新社
ISBN：9784120049279