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シンガポールモザイク

2016年8月15日

似て非なるローカルフードの代表格「ホーファン三つ巴」

ビーフンや春雨などと比べて、日本での知名度が低い「ホーファン」。しかしここシンガポールではレストランからホーカーセンターまで、至るところで見かけるローカルフードの代表格です。そんなホーファンにはいくつものバリエーションがあるのをご存知でしたか?それぞれに違った味をご紹介します。

河粉(ホーファン)とは 中国の広東省および東南アジア一帯で見られる、平打ちのライスヌードルのこと。同省潮州市では粿條(クェティオ)とも呼ばれる。発祥は1860年代の広州・沙河(さか)と言われており、そのため沙河粉と表記されることもある。

魚介類のダシがきいた半透明のあんが特徴-海鮮河粉(Seafood Hor Fun)

シーフード・ホーファンは塩味ベースの半透明なあんが特徴。具は店によってさまざまだが、代表的なものは鯛に似た淡白な白身魚やえびなど。美味しいホーファンに共通する味の決め手が、「ウォック・ヘイ(Wokhei=鑊氣)」と呼ばれる香ばしくスモーキーな薫りで、これは麺と醤油を強火で炒めた際に、麺に薫りが移ることにより生じるもの。この薫りを一番ダイレクトに楽しめるのが、シンプルなあんのシーフード・ホーファンと言える。

 

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Seafood Horfun 8Sドル

Ka-Soh Restaurant
今年のシンガポール版ミシュランガイドにおいてコストパフォーマンスの高い「ビブグルマン」を得た、70年続く老舗。シーフード・ホーファン(8Sドル)には、同店の代表メニューであるフィッシュヘッドスープにも用いられる、魚を7時間煮出したダシが使われている。見た目こそシンプルだが、一口食べればあっさりとした味わいの奥に、しっかりとした魚介の深みが感じられる。熟練技の賜物であるウォック・ヘイを存分に堪能したい。

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同じくシーフードベースのホーファン「San Lau」(10Sドル)も人気。もやしのシャキシャキ感がアクセントに。
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Alumni Medical Centreの1階にある。地元の人々が気軽に来られるよう価格を抑えているという。

 

店舗情報
Ka-Soh Restaurant
2 College Road, Alumni Medical Centre, Singapore 169850
Tel:6473-6686
営業時間:11:45~14:30、17:30~22:45、無休
http://www.ka-soh.com.sg/

濃厚なソースががっつりお腹にたまる-牛肉河粉(Beef Hor Fun)

ビーフ・ホーファンの特徴は濃い茶色をしたこってり目のあん。鶏ダシのスープなどに醤油やダークソイソース、にんにくなどの調味料で味付をしている。アクセントに豆鼓(black beans)を用いる店も多い。ホーファン全てに共通して言えることだが、食べる際にはまず豪快に全体を混ぜ合わせよう。そうすることであんが麺に染み込み、美味しさが増す。ボリューム満点の牛肉を麺と一緒に頬張れば、気持ちもお腹も満足すること間違いなしだ。

 

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Beef Horfun 6Sドル

Geylang Famous Beef Kway Teow
地元の人々からの評判が高いビーフ・ホーファンの有名店。1960年代から同じ場所で、変わらぬ味を守り続けている。あんにはダークソース、醤油やチリソースのほか、豆鼓や生姜など約10種類もの薬味・調味料がミックスされている。具材となる肉には大きめにカットした牛のランプ肉を使用しており、赤身肉のあっさりした味わいが濃厚なあんとよく合う。麺はあんが絡みやすいよう幅広にカットされており、食べごたえ充分。

 

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卵、もやしが入ったまろやかな味わいのドライタイプ「Stier fried Beef Horfun」(7Sドル/1人前)もある。
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Lorong9とゲイランロードの交差点にある。開店時から同じ場所に店を構えていられるのは人気の証。

 

店舗情報
Geylang Famous Beef Kway Teow
237 Geylang Road, Singapore 389296
Tel:9388-0723
営業時間:月11:00~翌3:00、火~土17:00~翌3:00 無休

もっちり、つるつるの麺が優しい味わいのあんと絡む-怡保河粉(Ipoh Hor Fun)

ホーファンの中でも少し独特なのがイポー・ホーファン。あんの違いではなく、やや細めでつるつるの麺自体に特徴がある。食感の秘密は米をパウダー状になるまでしっかり挽くこと。米粉のきめ細かさが独特の舌触りを生む。さらに調理の際も麺は炒めず、皿に盛った麺の上から直接あんやスープをかける。薄茶色のあんは醤油とダシが合わさった優しい味わいで、具材は鶏肉や椎茸などが一般的。

 

Lee Tong Kee Special 5.50Sドル

Lee Tong Kee
中国からイポーに渡り修行したという、創業者の味を忠実に守り続けている。看板メニューであるLee Tong Kee Special(5.50Sドル)は、つるつるの麺にオリジナルのあんがかかった一品。口に入れた瞬間、シルクのような麺のなめらかさに驚くことだろう。蒸し鶏とエビというシンプルなトッピングながら、スープの奥深い味わいにどんどん箸が進む。油で炒めていないので後味もあっさり。こちらもよく混ぜて味わおう。

 

スープタイプの「Lee Tong Kee Special」(5.50Sドル)は、鶏とエビのダシが効いたあっさり味。
創業当時はタンジョンパガーにあったという同店。現在はサウスブリッジロード沿いに店を構える。

 

店舗情報
Lee Tong Kee
278 South Bridge Road, Singapore 058827
Tel:6226-0417
営業時間:月11:00~16:00、水・木11:00~18:00、金~日・祝日11:00~20:00 火曜休
http://www.ipohhorfun.com/

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.308(2016年8月15日発行)」に掲載されたものです。

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