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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2016年8月15日

ご注意下さい!日本とは大きく異なる市場・取引慣行 (その2)

シンガポールはアジアのビジネス・ハブだけあって、日本語を話せる人も少なくなく、時差もわずか1時間。しかし、やはりここは外国です。「日本と同じ」という錯覚に陥いると、あとで後悔することに……。転ばぬ先の杖として、不動産取引においてベテラン・エージェントの起用が大事と言われる理由も、そこにあります。

前回に続き、以下のような注意点をご紹介します。

 

6.近隣で大工事が始まっても、解約事由にならない:
日本では契約に際して、いわゆる宅建法で、近隣の工事計画を含む「重要事項」を宅建資格者が事前に説明する義務がありますが、シンガポールでは義務化されていません。入居した途端に隣地で杭打ちが始まり、騒音に耐えられないと言っても、それが合法な工事である限り解約事由にはなりません。ただし、家主や家主側の不動産業者が事実と異なる説明をしていた場合は「不実説明」となり契約解除できる可能性があります。言い換えれば、説明がなければ解約事由にはなりません。

 

7.スクールバスが通らない物件でも解約できない:
日本の都市部の多くでは、公立小中学校が徒歩圏にありますが、シンガポールでは日本人小中学校に通うにもスクールバス利用となり、近くにバス停がない物件も多数あります。特に新築物件の場合は要注意です。また路線によっては、席に空きがなく乗れないこともあります。スクールバスが近くを通らない物件を契約してしまっても、家主に落ち度がない限り、無罰解約はできません。
8.浴槽があっても湯量が足りない:
熱帯の当地では、浴槽になみなみと熱い湯を張って入浴するという習慣がありません。日本と違ってシャワーのみの物件も多く、また浴槽があっても15リットル程度の電気ボイラーのため湯量不足となり、日本のように熱いお湯で満たすことはできません。ガス給湯器付き物件も例外的にありますが、当地では極めて限定されます。

 

8.浴槽があっても湯量が足りない:
熱帯の当地では、浴槽になみなみと熱い湯を張って入浴するという習慣がありません。日本と違ってシャワーのみの物件も多く、また浴槽があっても15リットル程度の電気ボイラーのため湯量不足となり、日本のように熱いお湯で満たすことはできません。ガス給湯器付き物件も例外的にありますが、当地では極めて限定されます。

 

9.クーラー、冷蔵庫は命綱:
クーラーや冷蔵庫なしでは快適な生活はできません。内見の際、立派なプールや豪華な家具に目が行きがちですが、必ずクーラーや冷蔵庫の状態をよく確認しましょう。冷蔵庫が故障した場合、修理には最低数日を要します。家主が2台目を提供してくれることはまれなので、ガレージセールなどで入手しておくと万一の際に救われます。

 

10.照明が暗い?:
特に高級物件では、ほの暗い天井照明(クリーム色)が好まれます。これは英国テイストで、フロアスタンドなどと組み合わせて使うことを前提にしています。昼間の内見では見落としがちですが、勉強部屋などは照明の追加や交換により明るさを確保しましょう。

所変われば品変わる、です。後悔することのないよう、日本との違いを念頭に置いて契約しましょう。

文=木村登志郎(パシフィック不動産株式会社CEO、シンガポール宅建士)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.308(2016年8月15日発行)」に掲載されたものです。

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