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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2016年3月21日

甲状腺と甲状腺ホルモン

甲状腺は首の前、のどぼとけのすぐ下にあり、重さが16〜20g、大きさが縦4.5cm、横4cmの臓器です。気管や食道とはつながっておらず、正面から見ると蝶々の形に似ており、ヨウ素を原料として甲状腺ホルモンという、体に必要不可欠なホルモンを作っています。

甲状腺ホルモンには、脳の発達をはじめ器官の成長・発育作用、酸素消費増加による熱産生作用、心血管系に対する作用、脂質・糖質代謝作用などがあります。

甲状腺は他の哺乳類や両生類などの動物においても重要な臓器で、例えばオタマジャクシは甲状腺ホルモンが不足するとカエルになることができません。

 

甲状腺ホルモンが体内で多くなると、暑さに耐えられない、動悸、息切れ、発汗増加、下痢、体重減少、手の震え等の症状が出ます。このような場合、血液中の過剰な甲状腺ホルモン量を正常にコントロールする必要があります。

甲状腺ホルモンが不足すると、むくみ、寒がり、便秘、皮膚のかさつき、脱毛等の症状が出ます。これらの症状は徐々に発現するため、甲状腺の病気だと分かりにくいことがあり、年配の方では、むくみが腎臓や心臓の病気と間違われることがあります。甲状腺ホルモン剤を服用する等の治療により、甲状腺ホルモン値が正常になれば症状はなくなります。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.298(2016年3月21日発行)」に掲載されたものです

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