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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2016年3月21日

転勤・帰国時の諸手続き

3月は転勤・帰国のピークシーズン。慌ただしい中、失敗して嫌な思い出を残さないよう、注意事項をまとめてみました。

 

1. 家主への通知
転勤解約条項(いわゆるDiplomatic Clause)で賃貸契約を中途解除するには、2ヵ月前までに家主に「書留(registered mail)」で通知する必要があります。
2. 家賃の自動振込の停止
会社払いであれ個人払いであれ、うっかりミスが多いですが、過払いしてしまうと回収に手間がかかります。
3. 引越し業者の手配
ピークシーズンには、業者が予約でいっぱいになってしまうことも多いものです。また、同じエレベーターを使う複数戸が同時に引っ越すことはできないので注意。土曜日午後・日曜日の引越しは原則不可です。
4. 家主との明渡検査
明け渡し時には、アパート内部の状況や家具・備品について、家主と合同で立会検査を行います。入居時は天使のようだったのが、退去検査時には悪魔に豹変する家主もいるので、可能な限り弱みを作らないことが肝心。特に清掃は、日常清掃程度では不十分(特にキッチン、ヤード、バスルーム)なので、結局は専門業者に頼むのがお得です。また、引越しの荷物出し当日の退去検査は大変慌ただしく、結果的にミスをしてクレームになるケースが多いのでおすすめしません。
5. カーテンのドライクリーニング、エアコンの定期点検
カーテンは、ドライクリーニングをして返すのが原則。なお、ナイト・カーテンを自宅で水洗いすると、丈が縮まって高額のクレームになります。エアコンの定期点検が借主責任の場合は、最後の点検記録(領収書等)も用意してください。また、家電製品の作動状態がチェックできるよう、明け渡しの時点では、電気が通じているようにしておいて下さい。リモコンについても、電池が切れているものは交換しておいて下さい。
6. 備品リスト (Inventory List)の確認
入居時に作成した備品リスト(Inventory List)を参照して家具・備品や鍵がちゃんとそろっているか事前に確認しておけば、のちにパニックにならずにすみます。
7. 「内見非協力」が、最も高額のクレームになる
内部造作・家具備品類では、壁や床へのダメージが金額的には最も大きなクレームになりますが、それでもせいぜい1,000~2,000Sドル程度。かたや、契約上2ヵ月前から家主に認められている「後釜テナントを探すための内見」を断り続けると、権利侵害で、1~2ヵ月分の家賃相当額を請求されることがあるので、特に注意・配慮が必要です。
8. 電気・水道・ガス・電話・インターネット・ケーブル TV の解約
入居時とは異なり(いたずらによる解約事故を防ぎ、保証金の返金手続きを伴うため)、契約者本人による手続きが原則なのでご注意下さい。電話でもWebでも停止手続きができます。
9.その他届け出
大使館、日本人会、各種クレジットカード会社など。郵便については郵便局で有料の転送サービス(シンガポール国内)の手続きができます。

文=木村登志郎(パシフィック不動産株式会社CEO、シンガポール宅建士)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.298(2016年3月21日発行)」に掲載されたものです。

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