シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOPアンサンブル・シンガポール・ジャパン

アート

2004年11月15日

アンサンブル・シンガポール・ジャパン

p1 (24)

 

プロ級から初心者まで音を楽しむ人たちが集まる

日本におけるクラシック音楽の教育レベルの高さは国際的にも認められており、ウィーンフィルを率いる小澤征爾を筆頭に、すでに世界のクラシック音楽界は日本人プレーヤー抜きには語れない状態となっている。
あまり知られていないかもしれないが、シンガポールでも日本人音楽愛好家の活躍は著しいものがある。シンガポールで最も歴史あるアマチュア・オーケストラのひとつ、ブラッデルハイツ・シンフオニー・オーケストラは、シンガポールのインターナショナルな雰囲気を反映して多国籍メンバーで構成されており、60名近い団員の内、4分の1近くを日本人が占めているという。

 

p2 (22)2000年9月、当時コンサートマスターだった長澤氏(2003年に帰国)らの呼びかけで、日本人を中心にして更に高度で自由な音楽活動の場を求めて結成されたのが「アンサンブル・シンガポール・ジャパン」(ESJ)だ。
毎年三回程度、定期的に演奏会を開催しており、12月4日(土)に日本人会オーディトリアムで予定されている次回の演奏会で13回を数えるまでになった。
メンバーは、当初ブラッデルハイツ・シンフォニー・オーケストラの日本人メンバーとシンガポール人の友人達という形態だったが、現在では他のオーケストラで活躍する日本人や個人で楽器を趣味としているメンバーの参加も歓迎している。
演奏されるのは、主に小編成のアンサンブル形式の音楽で弦楽四重奏、各種楽器のピアノ伴奏によるソロ演奏、管楽アンサンブル等、毎回多くのパターンが演奏されている。演奏される曲のジャンルはバロックから現代音楽、映画音楽やミュージカル音楽まで幅広く、観客を飽きさせないように工夫されている。また、演奏者のレベルはプロ級のメンバーから、シンガポールに来てから楽器を始めた人まで様々で、レベル毎に参加できるプログラムが用意されている。
第六回演奏会からは、アンサンブルだけでなく参加したメンバー全員による小編成オーケストラで合奏するという試みも始まっている。これまでに、モーツアルトの交響曲25番、40番、41番等が全体合奏曲として演奏されてきた。特に41番の演奏ではシンガポールの若手作曲家として注目を浴びつつある団友のタン・チャンブン氏を指揮者に迎えるなど、地元の音楽家との交流を深めることも忘れていない。シンガポール唯一のプロオーケストラ、シンガポール・シンフォニー・オーケストラ(SSO)で、当時唯一の日本人トランペット奏者だった池辺氏など、プロの客演もある。

 

p3 (1)メンバーは、駐在員やその家族などで、帰国などの事情から当然入れ替わりも激しい。主要メンバーが帰国するたびに、運営の危機を経験してきたというが、タイミング良く自主的にサポートするメンバーが現れ、表立った組織や規約も無い中、アマチュア団体としては非常に理想的な形で運営されているのではないだろうか。
演奏会は毎回プロジェクト方式で運営されており、次回の計画は、ひとつの演奏会が終了した後のパーティーで相談が始まる。次回の代表幹事が決められ、日程と演奏会場を決めれば、後はメンバーが各自メンバーを集めて小アンサンブルを作り、次第に形になっていく。演奏会に必須の各種の裏方、パンフレット、チケットにポスター作り、当日の会場整理、写真撮影などの担当も自然と決まっていく。
常時確定した練習場所はないが、全体合奏には日本人学校の協力を得て、教室を練習室として利用している。
12月4日の演奏会はクリスマスも近いこともあり、全体合奏としてアンダーソン編曲の「クリスマスフェスティバル」の演奏を予定。これは初めての大編成オーケストラ曲であり、これまで以上に迫力のある、また楽しい演奏になりそう。
幕間では、飲み物や軽食が用意され、演奏者、久しぶりに出会った、また新たに出会った音楽仲間達とも歓談できるコーナーが用意されている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.020(2004年11月15日発行)」に掲載されたものです。
文= AsiaX編集部

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOPアンサンブル・シンガポール・ジャパン