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アート

2005年9月19日

シンガポールでアートに浸る週末

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“東南アジアにいるうちに、ひとつくらい本物のアートを購入してリビングに飾りたい”というのはとても現実的な発想。今度バリ島やタイへ旅行に行った時にでも、又はベトナムや中国へ出張に出かけた際にでも、という話をよく耳にします。自分の好みに自信はあっても、品質、市場価格、将来性を見込んでの投資価値などを含めて選ぶとなると、やはり専門家の目を通したものを手に入れるのが賢明。そんな将来の美術蒐集家、又は知的好奇心をアートで満たしたい読者に、シンガポールにいながらそんな思いを叶える耳寄りなイベントをご紹介します。シンガポールの地の利と特性を存分に生かし、今年で4回目を迎える「アートシンガポール2005」や今や恒例となった各オークションハウス主催の東南アジア美術オークションがそれ。年に一度この時期になると世界中から美術商や美術コレクターがここシンガポールに集まります。

アートシンガポール2005

SnapCrab_NoName_2015-6-15_16-45-46_No-00東南アジア最大の美術品のトレード・ショーで、それぞれの画廊や美術商がお抱え作家の最新作や話題作を引っさげてシンガポールにやって来ます。シンガポールはそもそも貿易港、やはり世界の一流が集まる中継地としての存在となるとぐっとその意味合いを増すというのもうなずけます。今年はシンガポールや日本を含め、世界10カ国から50の美術商、関連団体の出展が予定されています。年々拡大傾向にある中、約1万5千人の人出が見込まれています。期間中、会場となるサンテックシティーに足を運べば、アジア全域を中心としたアートを見渡せるだけでなく、ユニークなワークショップや講演に参加することができ、知的好奇心を満たすにも良い機会です。今回のアートフェアは、シンガポール国内から29の出展があり、国内にそんなたくさん画廊があったの? と驚くと同時に、その個性豊かなラインアップに新鮮な感動を覚えること間違いなし。価格帯が幅広いのもアジアならではの楽しみで、名前もよく知られた高価な作家の作品から、これからが有望とされる投資価値大な若手作家の作品まで選り取りみどり。絵画や彫刻など、自分のお気に入りの作家を見つけて、画商たちからウンチクを聞いて歩くだけでもプチ美術蒐集家の気分を味わえます。また、子供連れの方には材料費だけ払えば1時間無料の子供向けアートクラスに参加できるコーナーもあります。

草間彌生、シンガポールに上陸

毎回招待作家によるインスタレーションが目玉として訪れる人々を出迎えるアートシンガポール。今年は、世界的に最も注目される現代アーティストの一人、草間彌生の作品が展示されます。シンガポールで彼女の作品を生で「体験」できるというのは無論初めてのこと。「DOTS OBSESSION(強迫水玉)」シリーズからの作品が展示されます。草間彌生は、少女時代の幻覚体験に触発された絵画にはじまり、60年代ニューヨーク滞在中に制作した水玉や網目が無限に増殖する絵画で注目を集めて以来、ポップアートの旗手として国内外で高い評価を受けてきました。半世紀を越える創作活動は衰えることを知らず、絵画、彫刻、版画、インスタレーション、さらには小説や詩など、素材や形式も多岐にわたりながらも、彼女の作品世界は、一貫してシンプルで生命感に満ち、時には強烈なオブセッションをも感じさせます。草間ワールドの宇宙観がシンガポールの人々にどう受け止められるかが楽しみなところです。

出展ギャラリーの一部を紹介

日本からは、版画で知られるトールマンコレクションが篠田桃紅の作品を展示したりイタリアのベレンゴギャラリーがムラノ島の作家のベネチアングラスの作品を展示したりと今から話題のギャラリーが目白押し。編集部の選んだ注目のギャラリーを一部ご紹介します。

 

スクリーンショット 2015-06-29 19.29.12ART-2 ギャラリー(シンガポール)

住所:140 Hill Street, #01-03, MICA Building, Singapore 179369
電話:(65)6338-8713
ART-2ギャラリーは、現代彫刻、絵画、陶器などアジアの作家を中心にクオリティーの高い作品を取り扱う。シンガポールの若手作家の作品展も行うなど、常に独自のコンセプトで話題になるギャラリー。今回は草間彌生の作品が中心で、リトグラフ、アクリル画などを展示する。

Indigo Blue ART(シンガポール)

住所:37 Kreta Ayer Road, Singapore 089001
電話:(65)6372-1719

2004年に設立されたばかりのインドの現代作家を中心に取り扱うギャラリー。美術館級の大物作家から、今話題の若手作家まで豊富なコレクションを持つ。今美術品市場で最も熱い視線を集めるインド人アーティストの良質な作品を取り扱うことで、シンガポール内外に急激にその名前を知られ始めている。

 

ART SEASONS(シンガポール・北京)

住所:The Box, 5 Gemmill Lane, Singapore 069261
電話:(65)6221-1800
シンガポールと北京にギャラリーがあり、東南アジアと中国の現代作家を中心に取り扱っている。絵画や彫刻に留まらず、写真、インスタレーション、ビデオアートといった新しい分野のメディアも積極的に取り扱っている

スクリーンショット 2015-06-29 19.31.22ART Gallery of Mountain(韓国)

住所:454-2 Yi Chun-Dong, Nam-Gu, Daegu, Korea
電話:(82)53-473-4542
2001年から韓国で展開しているギャラリー。韓国と中国の現代作家を主に取り扱い、国外のアートフェアに積極的に出展するなど、国内外の蒐集家にもよく知られている。

 

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http://www.artsingapore.net

 

東南アジア最大の美術オークション

SnapCrab_NoName_2015-6-15_16-55-46_No-00美術商が集まり、バイヤーやコレクターも各国から訪れるこのタイミング。アートフェアが終わった次の週末に、凌ぎを削る東南アジアの美術品のオークションがその次の週末に開催されます。オークションハウスといえば、サザビーズやクリスティーズ。そのヨーロッパの老舗に向こうから対抗する形で数年前に参入したインドネシアのオークションハウスのララサティ。この時期、3つのオークションハウスが同時にオークション開催します。美術館でしかお目にかかれないような名作や、希少価値の高い作品がずらりとならびます。特に、インド-ヨーロピアンと呼ばれる1950年代前後にバリ島で過ごした欧米人の作品など、オークションでしか流通しないような作品は常に注目の的です。本番のオークションの前に数日ビューイング(閲覧)の期間があるので、その間に会場のホテルで観賞するのも一興です。一日のうちにそれぞれのオークションハウス主催の会場を渡り歩いて観て回れるのもシンガポールならでは。一流ホテルが会場となるのが常で、一般公開とはいえ、なかなかの高級感があり、ゆったりといい時間が過ごせます。とはいえ、日本で本物のオークションを垣間見る機会は以外と少ないもの。オークション当日は、大抵作品の閲覧が出来ませんが、ロットを上げて競り合いながら、東南アジアの美術品が目の前で落札し、市場価値が決まっていく活気有る様子を覗いてみてはいかが?

サザビーズ(Sotheby’s)

1744年、サミュエル・ベーカーによって創立されたイギリスのオークションハウスでお馴染みの老舗。シンガポールで初めて東南アジアの絵画のオークションを1996年に開催。以降、世界中の美術コレクターの注目を集め、この地域の芸術の価値を高めてきた。シンガポールでは、現在年に2回東南アジアの美術品に関するオークションを開催し、今回で20回目を迎える。堂々200点もの美術品が競売される予定。

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ララサティ(Larasati)

SnapCrab_NoName_2015-6-15_16-59-58_No-002000年にインドネシアで設立されたオークションハウス。インドネシアの地盤を生かしてオークションでも人気のインドネシア作家を多く取り扱うほか、同時に東南アジア、アジアの作家の美術品も数多く出品されている。特にオークションに初めて出品するという若手の作家にも進んで機会を与え、コレクターを育てることを踏まえた新しいマーケットの開拓にも力をいれている。今回は104点の美術品が競売される予定。

 

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クリスティーズ (Christie’s)

SnapCrab_NoName_2015-6-15_17-2-16_No-001766年にスコットランド人、ジェイムズ・クリスティーによって創立。こちらもイギリスの老舗のオークションハウス。インドと東南アジアの美術品をとりあつかう部門はあるが、シンガポールではビューイングのみで、オークションは違うタイミングで香港にて行われる。

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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.059(2005年09月19日発行)」に掲載されたものです。
文= 桑島千春

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