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アート

2005年10月3日

花会でめでる秋の訪れ

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茶の湯のこころや楽しみが、茶事を催すことに尽きるように、花もまた、日常の生活の場を彩るばかりでなく、春夏秋冬四季折々に、移ろいゆく自然の精華としての「花」を謳いあげる花会を催してこそ、ほんとうに花の心にふれることが出来るといっても過言ではありません。一年中常夏のシンガポールで、この10月、そんな豊かで美しい日本の心を交わす「花会」が行われます。
来年シンガポールで開校40周年記念を迎えるという草月と、当地では10年余りの活動ですが、室町時代以来の500余年最も歴史が古く伝統ある池坊。この2つの流派のシンガポールでの指導者にスポットをあてながら、生かされし伝統の持つ美と力を堪能するシンガポールならではの花会へご招待します。

草月 ― 花の輪に心と心を結んで

p02 (4)加藤一枝キムさん、フラワー(花)、チャリティ(慈善活動)はシンガポールの多くの人々にとって今や同義語になったといわれています。1957年に日本からシンガポールに移られたときは、一言も英語を解することができない状態であったという加藤キムさん。長い年月を経て、シンガポールでこれほど有名な日本女性として、在星日本人の間のみに留まらず、シンガポールの多くの人々に愛されたきっかけは、そのエレガントでありながら謙虚で控えめな人柄はもとより、彼女自身がいけばなを習得していたことにあります。
社会福祉事業に従事していた友人の支援があったとはいえ、新来の日本人女性が草月流いけばな教室を開いた当時は大変な苦労があったはず。その努力が実り、いけばなという日本の芸術が、加藤キムさんを介して当地でたちまち人気の的となりました。その後、シンガポール国内で国立腎臓基金や、シンガポール内の老人支援活動グループ、赤十字などへの寄付を目的とした慈善いけばな展を毎年開催し、数々の功績を残されました。在星の我々日本人にとっても加藤キム先生のさんは誇りであり、我々が海外生活を実りあるものにするためのお手本といえます。

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加藤一枝キムさん

この輝かしい功績と慈善活動への努力の記念として、このたび日本政府より外務大臣賞を受賞されることになりました。
加藤キムさんの作品は、花を愛する人々を引き付けるだけでなくシンガポールと日本の人々の心を、生け花を通じて結ぶという役割を果たされていること。この活動には、花の輪で世界を結ぼうという草月の願いが込められており、文化、芸術を通じて我々は国際交流の担い手になれるということを証明するものと言えるでしょう。

シンガポール草月支部39回記念イベント

2006年は、シンガポール草月流開校40周年にあたり4代目家元、勅使河原茜さんが9月に来星の予定。
そのチャリティーイベントの基金を目的にディナーとお花のデモンストレーション、加藤キムさんの外務大臣賞授賞式もかねての展覧会がある。ラッキードローの抽選があり、航空券などたくさんのドアプライズが用意されている。

日時:10月14日(金)6:30pm〜
会場:フォーシーズンホテル ボールルーム
会費:S$120
問い合わせ:シンガポール草月支部長 加藤一枝キム
電話:6466-2246

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草月流とは?

1927年、初代家元、勅使河原蒼風が、草月流を創始する。
型を学び、型をいけることを目的とするのではなく、自分の気持ちを植物に託して自在に形をつくるものや、絵画と同じような個性ゆたかで自由な発想による創造行為を草月の生け花とする。
勅使河原霞2代目、宏3代目を通じて、生け花を海外に広めていった先駆者としての功績は大きい。

 

 

池坊 ― 秘すれば花

p05「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」と花伝書にも詠われた心情は、このレオナルド・リムさんを紹介することで表されるはず。言葉控えめながら花を極めた彼の作品を見れば、念ずれば花開くということにつきるといえます。
10代の頃から日本の文化といけばなに情熱を注ぎ、1989年より池坊いけばなを京都の本校とシンガポールで習得し、今では池坊の顔となった支部長のレオナルド・リムさんは、本業は歯科医。日本語が話せるという以上に日本人の繊細な心使いや、その真摯な人柄に多くの信望を集めています。
いけばなを通じて日本文化をシンガポールに紹介したシンガポール人の第一人者として、また両国の橋渡しとしての役割を担う彼の功績は非常に大きいといえます。
毎月第2金曜日に、SCWOセンター(シンガポール・チャイニーズ・ウーマンズ・アソシエーション)にて講義が開かれています。

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レオナルド・リムさん

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池坊いけばなソサエティー展覧会

池坊の中村教授が、京都より来星し、グレートワールドシティーにてデモンストレーションを行う。またソサエティーの作品展も同時開催。
年に1度の本場京都からの教授の講義と実演を拝見するというのは、海外に住む我々にとってまたとないチャンス。華道の心得があるなしに関わらず、ぜひ出かけてみたいイベントである。

日時:10月8日(土)1pm・3pm・7pm
10月9日(日)1pm・5pm・9pm
会場:グレートワールドシティー アトリウム
会費:無料

また中村教授によるワークショップも日本人会にて行われる。
費用は1レッスンが50ドルで花材代を含む。

日時:10月10日(月)・11日(火)
会場:日本人会館 ファンクションルームにて。
お問い合わせ:池坊いけばなソサエティー支部長 レオナルド・リム
電話6752-4050
EメールIkb1582@signet.com.sg

池坊とは?

1462年の室町時代、京都の六角堂の僧であった池坊の創始者、専慶が花器の中央に枝を高く立てる立花を見立てたのがいけばなの始まりとされている。そのいけばなの根源である“池坊”。500有余年の歴史のなかから派生していった多くの流派も、元は池坊からだといわれている。
草木が育つ姿、自然の秩序を重んじたいけかたを伝統としている。
「花をいける」とは、自ら進んで、花の美しさを生かすことであり、自分を活かすことでもあるといえます。
一年中花が咲き誇るこの常夏のシンガポールで、いろんな種類の花材を使って生活に彩を添えてみてはいかが? それぞれの流派やスタイルによって、花にどう語りかけるかには違いがあっても、“花のある生活”はきっと我々に潤いを与えてくれることでしょう。

 

シンガポールにある他のいけばな教室

小原流支部:
6325-3298・9456-8377
小原流個人レッスン:
9338-5755/キャサリーン・メイアー
日本人会華道同好会:
池坊、草月、マナコフラワーアレンジメント
問い合わせ/富田:6884-4149・大井:6352-8214

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.060(2005年10月03日発行)」に掲載されたものです。
文= AsiaX編集部

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