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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2015年10月19日

PSA・F/T比について

男性の場合、健康診断で、PSA検査〔血液検査〕を行う場合があります。PSAとは、主として前立腺から分泌されるタンパク質の一種です。血液の中にも流れ出ていて、健康な人のPSAはおおよそ2ng/mL以下です。

 

しかし、前立腺に異常があると血液中に大量に放出されて濃度が高くなります。他の臓器の異常では数値は変わらず、前立腺の異常にのみ反応することから、前立腺に特異的なものといわれています。前立腺炎や前立腺肥大症でも上昇しますが、前立腺がんでも数値に反応が出やすいことから、前立腺がんの腫瘍マーカーとして使われるようになりました。PSAの正常上限値は4.0ng/mlとされている場合が多く、4~10ng/mlはいわゆる「グレーゾーン」といわれています。

 

10ng/mlを超える場合には50~80%にがんが発見されます。
PSAは血液中でさまざまなタンパク質と結合しており、一部がPSAそのものとして血液中に存在し遊離型PSAと呼ばれます。PSA全体に占める遊離型PSAの割合をPSAの遊離型/全体比(F/T比:エフティー比)とよんでいますが、一般的にF/T比が低い場合にはがんの確率が高く、F/T比が高い場合には前立腺炎や前立腺肥大症の確率が高いとされています。

 

PSA値が10ng/mlを超えない場合でも、F/T比の測定を行い、専門医を受診することが勧められます。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.290(2015年10月19日発行)」に掲載されたものです。

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