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2014年8月18日

【第11回】Morningstar Asia(シンガポール版)を使った投資信託の選び方

投資信託を検索する際の条件項目は様々ありますが、「Fund Type(投資信託の種類)」「Portfolio(ポートフォリオ)」「Fund Performance & Risk(投資信託のパフォーマンスとリスク)」の3つはさらに細かい条件を設定する必要があり、AsiaXVol.261ではこの3つのうち「Fund Type(投資信託の種類)」の細かい条件設定について触れました。

今回は、残り2つの「Portfolio」「Fund Performance & Risk」の細かい条件設定についてお話していきます。

 

 

「Portfolio(ポートフォリオ)」

この項目では、3×3のマトリクスが2つあり、左は「Equity(株式投資信託)」のマトリクス、右は「Fixed Income(債券投資信託)」のマトリクスを表しています。

「Equity」のマトリクスでは、縦軸が「Market Capital(時価総額)の大きさ」を表しています。Large(大)、Mid(中)、Small(小)、といった具合です。時価総額が大きいほど、その投資信託の信用性が高いと見ることができます。ただし、信用性が高いこととパフォーマンスが良いこととはイコールではありませんので注意が必要です。

そして、横軸が「Investing Style(投資のスタイル)」を表しており、Value(バリュー投資)、Blend(ブレンド投資)、Growth(グロース投資)の3つに分けられています。なお、「バリュー投資」は、過去に比べて割安な株式を買う投資スタイル、「グロース投資」は、未来に比べて今の方が割安な株式を買う投資スタイル、「ブレンド投資」は、これらバリュー投資・グロース投資という2つの投資スタイルを状況に応じて使い分ける投資スタイルを言います。

次に、「Fixed Income」のマトリクスでは、縦軸が「Interest rate sensitivity(金利への敏感さ)」、横軸が「Credit-Quality(信用度)」を表しており、3つのマトリクスは、High(高)、Med(中)、Low(低)に分けられています。

「Interest rate sensitivity」は、デュレーション(平均回収期間)の長さを意味し、金利変動が起きた際の影響の大きさを示しています。つまり、それが大きければ、債券の残存期間が長く、金利変動リスクが高くなり、ハイリスク・ハイリターンとなります。

一方、「Credit-Quality」は、高いほど、スタンダード&プアーズやムーディーズ等の格付けも高く、信用リスクが低くなります。

 

 

「Fund Performance & Risk」

この項目では、「Overall Morningstar Rating(モーニングスターの格付け)」、「3-Year Volatility(過去三年間の変動率)」、「Return(利回り)」によって条件検索ができるようになっています。

「Overall Morningstar Rating」では、モーニングスター社によって各投資信託に対して評価が与えられています。「★」の数が多いほど、評価が高い、ということになり、「★★★★★」(5つ星)が最高評価となります。なお、全体でパフォーマンスの上位264ファンド(6.7%)が5つ星ファンドに選ばれていいます。〈2014年5月時点〉

「3-Year Volatility」では、各投資信託の過去三年間の変動率がLow(低)、Moderate(普通)、High(高)で分類できます。なお、変動率(=リスク)が高いほど、リターンも高い傾向があります。

「Return」では、期間と期待利回りを設定することで投資信託の絞り込みを行うことができます。
期待利回りでは、「Category Average(カテゴリー内平均利回り)」以上・自分で指定した利回り以上(%入力)で絞り込みを行うことができます。

ただし、過去の利回りが将来を保証するわけではありませんので、注意が必要です。

このように「Morningstar Asia(シンガポール版)」を使った投資信託の選びは、条件項目の意味を一つ一つ理解していくことが大切です。

初めは言葉の意味などがわからずに手が付かない方もいらっしゃると思います。しかし、これら一つ一つを理解していくことで、投資信託を選ぶ能力が培われていきます。

ぜひ諦めずに最初の一歩を踏み出してみましょう。

次回(9月15日発行予定)は、「さぁ、シンガポールで資産運用の第一歩を踏み出してみよう!」についてお伝えします。

mikataaプロフィール

三方 麻琴(Mikata Makoto)

M&R Partners Pte. Ltd. Managing Director

– Official site: http://mikatamakoto.jp

– Official blog: http://mikatamakoto.jp/blog.html

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※この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.263(2014年08月18日発行)」に書ききれなかった内容・補足をご紹介しています。

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