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熱帯綺羅

2018年1月26日

ガストロ・パーク「Timbre+」に見る、ホーカーセンターのこれから

若い世代が積極的に利用したくなる、新しいホーカー施設とは?

その1つの答えとなっているのが、2016年4月にオープンした「Timbre+」。運搬車両のコンテナをモチーフにしたデザインの建物内には食べ物屋台が入っているのですが、特徴的なのは、一般的なローカルフード屋台以外に、「哲平食堂」などの人気店がフードトラックで料理を提供し、クラフトビールを中心に約200種のビールがそろっていること。また日曜以外は毎夜、音楽ライブが開催されます。

 

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OneNorth駅から徒歩1分の場所にある。
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スプレーでアートが描かれた外観が目印。
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建物内にはフードトラックがあちこちに。
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トレーの使用には1ドルのデポジットが必要で、トレー返却口にて返金される。
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ローカルフードの屋台は夜間営業せず、右端のようにシャッターが下りている。

「当地の才能ある料理人や新たなシンガポール料理を発掘することを目的に開業しました。レストラングレードの料理をカジュアルに、適正価格で提供するのがコンセプト。私たちの間では、ホーカーセンターではなく、「ガストロ・パーク(美食の場)」と称しています」(広報・デボラさん)。レストランだと高額になってしまう食事が、価格が抑えられた形でいただけて、音楽も楽しめるとあって、若い世代や海外からの渡航者からの支持率がとても高いのです。

 

また、NTUC Foodfare社が新設する「Pasir Ris Central Hawker Centre」においても、若者客を取り込むための新しい試みが見られます。それは、新世代の屋台店主の発掘。「ホーカーに興味を持つ若い世代に屋台運営を託すことで新しい風を吹き込み、ホーカーフード・シーンを盛り上げていきたいです」(NTUC Foodfare・担当者)。

 

この試みの背景には、昨今、屋台店主へ転身する20〜30代が登場してきていることが挙げられます。面白いのは、金融業界やIT関連企業などF&Bではない異業種からの転職組が多いこと。いわゆる屋台のイメージではない、新しいものが生まれそうな予感がします。

 

2027年までに10施設のホーカーセンター増設が、環境・水資源省より発表されています。かつて撤廃の危機にさらされたホーカーセンター。その未来がどうなるのか、目が離せません。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.330(2018年2月1日発行)」に掲載されたものです。写真・取材: 豊倉 亜矢子

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