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熱帯綺羅

2017年10月26日

チャンギ国際空港に待望の新ターミナル4がオープン

システムの多くを自動化
ぐっと便利になった出国手続き、アクセス

新ターミナル4は、10月31日より1週間の間に、キャセイパシフィック航空、大韓航空、ベトナム航空、エアアジア、インドネシアエアアジア、フィリピンエアアジア、タイエアアジア、セブパシフィック航空、春秋航空の9つ の航空会社が順次移転予定です。

 

特筆すべきは、出国時の手続きすべてが自動化されたFAST(fast and seamless travel)と呼ばれるシステムの導入。FASTにより、チェックイン、荷物預け、税関通過、搭乗までのすべての過程を機械によりセルフサービスで通過できるようになりました(※)。

 

チェックインの自動化で、カウンターが開くのを待つ必要がなく、いつでもチェックインができます。また、荷物検査には新しいCT技術を採用、ノートPCやタブレットを鞄から出さなくてもよくなりました。

 

新ターミナル4にはスカイトレインのアクセスはありませんが、ター ミナル2との間をシャトルバスが、24時間体制、約10分間隔、乗車時間約5分で結びます。また、10月22日からは、他のターミナルに乗り入れていた公共バス24、34、36番が新ターミナル4へも伸長、新ルートの110番もセンカンとチャンギ国際空港の全ターミナルを結びます。

 

※FASTのすべてのシステムが利用可能なのは、シンガポール人、永住権保持者、在 留資格保持者、指紋が税関に登録されているビジター(6歳以上)。

 

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チェックインから搭乗まで、手続きが自動化されただけではなく、各セクションの配置も動線を考慮し効果的に設計されている(写真提供:チャンギ国際空港)

 

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セキュリティチェックは荷物を乗せるトレーも自動で回収、再配置される。効率を考え、一度に二枚ずつ処理するため、待ち時間も短縮される(写真提供:チャンギ国際空港)

 

ショップハウスやガーデンシティ文化を
感じさせる国の玄関口

内装デザインは「fun, vibrant and positively surprising」をテーマに、ターミナル内のカーペットや天井など、そこここにシンガポールの国花である蘭の花びらのモチーフが多用され、統一感を出しています。

 

ガーデンシティを標榜するシンガポールらしく、壁の一部は植物で覆われ、搭乗エリアには、アジア各国から取り寄せられたイチジクの木が並び、街路樹をなしています。

 

また、電灯にLEDを使用、ガラスを多用した設計で自然光を多く取り入れ、エアコンのシステムもより効果的なものを採用するなど、環境に配慮したつくりに努めています。

 

そして新ターミナル4がもっとも誇るのは、ショッピングエリア内の、「Heritage Zone」と呼ばれる一角。店舗前面はプラナカンスタイルのショップハウスを模したつくりになっており、「美珍香」「ブンガワン・ソロ」など、当地で長きに渡り愛されるローカルブランドが入ります。

 

次々に新しい試みを見せ、国家としての成熟を増すシンガポール。新ターミナル4に行けば、それを実感することができるでしょう。

 

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ターミナル4に植えられた木は合計186本。待合エリアに木が植えらえているというより、街路樹の中に待合室があるよう(写真提供:チャンギ国際空港)
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他ターミナルと同様に、出国・到着ホールの随所にアート作品が置かれている。写真は、セドリック・ル・ボルグンの“LesOiseaux”(写真提供:チャンギ国際空港)

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「HeritageZone」の様子。前面上部には10m×6mのLEDスクリーンが設置され、1930年代を舞台にしたショートドラマが流される。(写真提供:チャンギ国際空港)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.327(2017年11月1日発行)」に掲載されたものです。取材: パーソン・珠美

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