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熱帯綺羅

2017年8月25日

日本人御用達のショッピングモール、リャンコートの歴史

気軽に日本らしさを楽しめる
シンガポール人や欧米からの訪問者も増加

リャンコートがオープンしたのは1984年で、かつては大手日系百貨店の大丸が入居していました。ファッションブランドや家電量販店、コスメショップなども軒を連ね、毎日多くの在星邦人が訪れていました。しかし2003年に大丸の撤退が決まり、当時の在星邦人の間で大きな話題になりました。大丸の撤退後、リャンコートを訪れる人の数は大きく減ったものの、明治屋が入居したことなどもあり、徐々に客足も戻ってきて現在に至っています。

 

リャンコートの広報を担当するLynn Ngさんによると、かつての賑わいを取り戻すべく、現在でも本格的な日本の商品やサービスを提供する店にテナントとして入居してもらえるよう努めているといいます。

 

一方でリャンコートは、シンガポールの人達が気軽に日本の雰囲気を味わえる場所として、以前とは違った顔を持つようになりました。日本を旅行するシンガポール人が増える中、リャンコートを訪れるシンガポール人も少なくないそうです。建物内を見ても、日本の各都市を英語で紹介するパネルが設置されているなど、現地の人達が日本に親しみを持てるよう工夫されていることが見受けられます。地下1階の理容店で20年以上働いているチェリー・チャンさんも、「大丸が入居していた頃、リャンコートに足を運ぶ人のほとんどは日本人でしたが、現在はシンガポール人や欧米人も多く訪れるようになりました」と話しています。

 

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建物内には日本の各地方や都市について紹介するパネルも

 

今年10月のMRT新線開通でアクセスも向上

日本人御用達のショッピングモールとしてだけではなく、シンガポールの人達からも親しまるようになったリャンコート。今後は、シンガポールにおける交通網の発展とともに、その利便性もますます高まることになりそうです。現在MRTを利用してリャンコートに行くためにはクラークキー駅から徒歩で10分ほどかかりますが、現在、建物のすぐ近くでダウンタウン線新線のフォートカンニング駅が10月の開通をめざして整備されており、大幅なアクセスの向上が見込まれています。

 

今後もリャンコートは、シンガポールに住む日本人の暮らしを快適にサポートしてくれるとともに、地元の人達が日本を身近に感じることのできる場所としても、存在感を発揮していくことになるのでしょう。

 

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付近では、今年10月に開通するMRTダウンタウン新線のフォートカニング駅が整備されている

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.325(2017年9月1日発行)」に掲載されたものです。取材・写真: 佐伯 英良

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