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熱帯綺羅

2016年12月5日

メイド・イン・シンガポールのインディーズ映画

物価高を日々実感するシンガポールで、比較的安価に楽しめる娯楽といえば映画。毎週さまざまな映画が公開され、日本では未発表の作品も上映されることから、映画館に足を運ぶのが楽しみという方も多いことでしょう。映画館で公開される映画は、ハリウッド映画などメジャーな作品が大半を占めます。しかし、映画を楽しめる場所は映画館だけではありません。最近、徐々に認知度が高まってきているのがオンライン動画配信サイト。そして、このような動画配信サイトは、少ない予算で映画を制作する独立系の制作会社が、世界へ自作の映画を配信するプラットフォームとしても重要な存在となりつつあります。

 

インディーズ映画を制作するクリエイター「BananaMana」

シンガポールを拠点にオリジナル映画を自主制作する「BananaMana(バナナマナ)」も、動画配信サイトで映画を公開するクリエイターです。今から3年前の2013年、俳優でもあった、アメリカ生まれのクリスチャン・リー氏とオーストラリア生まれのジェイソン・チャン氏が、アジア人によるアジア人が主役の、英語による映像映画を制作しようと、ドラマ『What Do Men Want』を製作したことが始まりでした。同氏らも登場する13エピソードから成るこのドラマは、シンガポールの一大メディア、MediacorpのChannel5で放映され、2014年にはアメリカ・ロサンゼルスで行われたWeb配信動画を対象とする「LA Web Series Festival」でドラマシリーズのディレクター部門賞を受賞しました。

 

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 「BananaMana」創設者のジェイソン・チャン氏(左)とクリスチャン・リー氏(右)。スクリプト作成やキャスティング、編集まで全てを行うが、両人とも映画に出演するなど俳優としても活躍中。来年3月10日~12日、SCAPEで行われるイベント「All In! Young Writers Festival」ではスピーカーとしても登場する予定。ジェイソン・チャン氏はアメリカのTVドラマシリーズ『パワーレンジャー・ニンジャストーム』でグリーンレンジャー、ワタナベとして出演していた

しかし彼らは「自分たちの作りたいものを自由に制作し、伝えたいメッセージをより多くの人に届けたい。人々の気持ちが明るくなるような映像を作りたい」という熱い想いから自費制作に切り替えます。そして、自ら制作した映画を動画共用サイトで配信することにしました。2015年に制作しVimeoで配信した映画『Perfect Girl』の製作費は1,000Sドルのみ。撮影の多くはチョンバル界隈とスタジオ兼自宅で行われたそうです。しかしながら、これだけの低予算で制作した映画だとは信じがたいほど、クオリティの高い仕上がりとなりました。

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