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熱帯綺羅

2016年8月15日

建国期の空を守った戦闘機 シンガポール空軍博物館

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1970年に配備された戦闘機「ホーカーハンターF.74S」

海上交通の要衝であるマラッカ・シンガポール海峡に近く、アジアの地政学上重要な位置にあるシンガポール。2015年の軍事予算は国家予算のおよそ2割と世界的に見ても高い水準にあります。約1万3,500人を擁するシンガポール空軍(The Republic of Singapore Air Force : RSAF)は、マクダネル・ダグラス社(現ボーイング社)による高価なF-15戦闘機を配備するなど、小規模ながら高性能な機体を揃えており、インドネシアなど周辺国で地震などが発生した際には救援活動に参加するなど、防災の分野でも活躍しています。身近なところでは、隔年で開催される「シンガポール・エアショー」で、同空軍のアクロバットチーム「ブラックナイツ」が技術的にも高度な迫力のあるパフォーマンスで楽しませてくれます。
そんなシンガポール空軍は、1965年にシンガポールがマレーシアから独立した後、どのような形で誕生し、発展してきたのでしょうか。今回ご紹介する、パヤ・レバの空軍基地近くにあるシンガポール空軍博物館を訪れることで、過去に活躍した戦闘機などを間近で見ることができるとともに、その歴史も知ることができるでしょう。

シンガポールの国防上、重要な機体を展示

MRT東西線ユーノス駅から94番のバスに乗り、およそ20分程度で博物館に到着します。博物館は市街地中心から少し離れた静かな場所にあり、入口付近に展示された航空機が出迎えてくれます。入館料は無料で、1階には戦闘機やヘリコプターなどが数多く展示され、2階の展示からはシンガポール空軍や国の歴史を学ぶことができ、ミリタリー好きの方や子供以外でも楽しめるスポットになっています。博物館は当初、1988年に当時のチャンギ基地近くに設立され、その後基地の移転に伴い今の場所に移転した経緯があります。
現在の空軍の前身であるTHE SINGAPORE AIR DEFENCE COMMAND(SADC)が1970年に導入した最初の戦闘機である「ホーカーハンターF.74S」など多数の戦闘機やヘリコプターのほか、1970年にイギリス軍から譲渡され、約20年間にわたりシンガポールの空を守り続けたブラッドハウンド対空ミサイルなどが展示されています。同博物館のガイドであるテンさんは「この博物館には、歴史的意義のある展示物が揃っています」と話します。

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1968年に配備されたセスナ。機体には、英国空軍の赤青2色のエンブレムを、シンガポールのナショナルカラーである赤に統一したものがプリントされている。

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