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熱帯綺羅

2016年8月1日

シンガポールで独自の進化をとげた にょろにょろスイーツ「チェンドル」

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かき氷、緑色のチェンドル、茹でた小豆、ココナッツミルクにグラマラッカをかけて食べるのがシンガポールにおけるチェンドルの定番。

にょろにょろとした緑色のスイーツ「チェンドル(Chendol)」。ホーカーやフードコートで目にして、「これは一体なんだろう?」と感じたことはないでしょうか。かき氷の上の主役にも、ゼリーやプリンのようなデザートにトッピングされ“脇役”にもなる万能ゼリー。今回、シンガポールで古くから親しまれるこの不思議なスイーツの歴史を探ってみました。

国によって呼び名もいろいろ

日本の抹茶のような鮮やかな緑色は「東南アジアのバニラ」といわれるパンダンリーフ(パンダナスの葉)の色。口に入れるとココナッツミルクのまろやかさとパンダンリーフのアロマティックな香りが特徴的です。
チェンドルとはそもそもマレー語。発祥はインドネシアで、こぶや突起を意味する「jendol(ジェンドル)」という現地の言葉に由来するといわれています。インドネシア西部が交通の要衝であり、各地を行き交う船が碇を降ろす港だったことから1900年代に入ってアジア各国へ伝わったと言われています。
実際、チェンドルはベトナムでは「チェー」(ツバキ科のチャノキの意)、タイでは「ロッチョン」(穴を通すの意)と呼ばれてアジア各国でデザートとして庶民に愛されています。出張やバカンス先で気づかずに食したことのある人も意外に多いのではないでしょうか。
興味深いエピソードとしては、タイの伝統的スイーツ10選にも選ばれる「ロッチョンシンガポール」にまつわるものがあります。ロッチョンシンガポールとはココナッツミルクのドリンクにチェンドルが入った一品ですが、かつてバンコクにあった「Singapore Cinema」と呼ばれるシンガポール系の名画座の店頭で生まれ、国民的デザートになったといわれています。

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