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熱帯綺羅

2016年6月20日

知られざる第一次産業 シンガポールの観賞魚ビジネス

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顔がキツネに似ていることから名前が付いた通称フォックス・フェイス。日本名ではヒフキアイゴと呼ばれ、
鮮やかな色と飼育が比較的簡単であることから人気も高い。

ジュロン・イーストから車で北に進むこと約25分。シンガポール中心部の北西に位置するリム・チュー・カン一帯には、シティエリアのビル群とは全く違う景色が広がります。一本道の両脇には熱帯雨林がうっそうと広がり、一帯にはシンガポール産の野菜、カエル、ランなどを栽培・養殖する業者が60以上も点在しています。

 

シンガポール国内で観賞魚を販売しているCoralfarm Aquaristic Pte Ltd(以下Coralfarm)もそのひとつ。国土の狭いシンガポールには第一次産業がほぼないと思われがちで、あまり知られていませんが、観賞魚の飼育は第一次産業に属し、しかもシンガポールはこの業界で世界トップクラスの輸出額を誇っています。

 

長年にわたり世界トップの輸出額を誇る観賞魚

世界における観賞魚のビジネス規模は2000年には1億8,100万米ドルでしたが、その後10年間で急成長し、2011年には約2倍の3億7,200万米ドルの市場となりました。2012年のシンガポールにおける観賞魚の輸出額は6,200万米ドルで、市場全体の約5分の1を占める世界でもトップレベルの存在です(「AVA統計2013/2014」)。自由貿易国という特徴をうまく生かし世界中から観賞魚を集めた結果、シンガポールに来ればどんな観賞魚も手に入る“世界の観賞魚のワンストップショップ”としての地位を確立したと言えるでしょう。

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2,000匹以上の観賞魚を飼育するCoralfarmの施設。1メートル以上もある大型魚もあちこちで見受けられる。

 

世界80ヵ国以上もの国々に観賞魚を輸出しているシンガポール。長年、主な取引国はアメリカやイギリス、日本でしたが、ここ数年で変化があったと話すCoralfarm代表のギルバート・ペイさん。2008年のリーマンショック以降の経済悪化が原因で、ヨーロッパや日本の消費者が趣味としての観賞魚を購入しなくなったことで輸出が減少し、現在は中国が主な取引先に変わってきたそうです。

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