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熱帯綺羅

2016年4月4日

芸術家と職人の二人三脚で新たな表現を 「シンガポール・タイラー・プリント・インスティテュート」

レジデンシー・プログラムの様子。STPIプロジェクト・リーダーの小川栄太郎氏(左)とアーティストが話し合い、テストを重ねながらアイディアを具体化していく。(写真:Shirazeh Houshiary _VAP@STPI)

 

緩やかに流れるシンガポール川に沿って、飲食店が軒を連ねるロバートソン・キー。その一角に、柔らかな光に包まれた静かな別世界が広がっていました。版画に特化した世界的にも稀な芸術拠点、シンガポール・タイラー・プリント・インスティテュート(STPI)です。

 

アーティストが滞在しながら作品を制作する独自のプログラム

アメリカを代表する版画の刷り師、そしてコラボレーターのケネス・タイラー(Kenneth Tyler)氏が「これから元気になる場所に拠点を移したい」と、アメリカ・ニューヨーク州にあった工房の移転を決めたのは、今から17年ほど前のこと。さまざまな都市が候補に挙がる中、街の成長の勢いやアートに力を入れていこうという気運、政府からの出資などが決め手となり、ここシンガポールへの移転が決まりました。

 

従来の版画の枠にとどまらず、紙や版画のプレス機から大胆な技術革新を行ったタイラー氏の工房には、版画制作に使われる大量の機械がありました。そのすべてを貨物船でシンガポールまで輸送。シンガポール川沿いに立ち並んでいた倉庫の一つを徹底的に改装し、2002年、STPIがオープンしました。

 

倉庫を改築した建物の外観。1階には製紙・版画の工房、2階に個展会場となるギャラリー(400㎡)がある。

 

STPIの最大の特色は、製紙工房、版画工房、作品を展示するギャラリー、そしてアーティスト用の宿泊施設とスタジオが一つの建物内に揃っていることです。この特長を最大限に生かした企画が、「レジデンシー・プログラム」。世界各地で活躍しているアーティストを招き、計6週間の滞在中に作り上げた作品で個展を開催します。

アーティストの多くが、初回の滞在ではシンガポールの街を歩いてインスピレーションを得たり、紙作りや版画の現場を体験したりしながら、どんな表現が可能かを探るといいます。その後、それぞれのアーティストのペースでアイデアを練り、再度STPIに戻ってきて、プロジェクトを完成させていきます。

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