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熱帯綺羅

2010年8月2日

ナショナルデーにひも解く建国の歴史「シンガポール国立博物館」

1965年の建国から今年で45年を迎えるシンガポール。シンガポール共和国としてはまだ若い国ですが、この小さな島は、14世紀以降700年ものカラフルな歴史を持ち合わせています。そんなシンガポールの歴史をひも解くと、新たに知る歴史的事実、シンガポールを形成する多民族の人々が織り成すさまざまなストーリーに出会えるでしょう。8月9日のナショナルデーに寄せて、世界的にも例を見ない展示設備とユニークな構成で歴史の世界に誘うシンガポール国立博物館の歴史ギャラリーを訪れてみませんか。そこで垣間見たシンガポール建国期のストーリーをご紹介します。

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シンガポール国立博物館内歴史ギャラリーの中。このコーナーには、建国期のシンガポールの様子を伝える展示がずらりと並ぶ。リー・クワンユー元首相の独立宣言のビデオもある。

1965年8月9日、失意と決断の独立宣言

45年前のこの日、シンガポールの独立を発表するリー・クアンユー氏のテレビ中継がありました。国民に独立への決断を伝える、その失意に満ちた氏の表情をつぶさに納めたビデオを歴史ギャラリーで見る事ができます。

イギリスからの完全独立のため、悲願だったマレーシアとの合併を1963年に果たして2年、そのマレーシアからほぼ追放される形でシンガポールは独立の道を選ぶことになりました。華人の住民が8割を占めるこの国が、マレー系住民を優遇するマレーシア中央政府の政策に追従することの難しさ、民族間の暴動勃発などを受け、度重なる交渉をマレーシア中央政府のトゥンク・アブドル・ラーマン首相と行うも、決裂に終わったのです。

「私にとって、今は苦渋の時です。生涯、私は2つの領域の合併と統一を信じてきました。(中略)私リー・クアンユーは、自由と正義の原則、多くの人々の福祉と幸福の探求、平等な社会を築く事に基づき、本日1965年8月9日にシンガポールが永久に主権民主主義並びに独立国家である事を宣言致します」と、中継の最中には、感極まって言葉につまり、涙をみせ、20分間会見を中断する場面も。が、この日を境にリー氏は、同胞の政治家たちと一丸となって天然資源の欠乏や水源の乏しさ、国防能力の脆弱さという国として根本的な課題をひとつひとつ解決しながら、多民族の融合政策をはかり、資本主義経済を邁進させてきたのです。リー氏の統率力、徹底した合理主義、目を見張るスピードで建国期をのりこえた日々の政治活動も、歴史ギャラリーで目の当たりにできるでしょう。

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シンガポール国立博物館外観。1887年に開館したシンガポールで最古の博物館。白い壁にナショナルデーの赤いバナーが映える。

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シンガポール国立博物館外観。1887年に開館したシンガポールで最古の博物館。白い壁にナショナルデーの赤いバナーが映える。

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