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熱帯綺羅

2015年12月7日

赤道直下で30年守り続ける日本の味 キッコーマン・シンガポール工場

巨大な装置でもろみからしょうゆを圧搾

キッコーマン・シンガポール工場では、日本からの修学旅行や各種団体の視察、シンガポール日本人学校の社会科見学や職業体験プログラムなどの受け入れも行っています。さっそく工場内を案内してもらいました。

塩水やしょうゆが入った巨大なタンクが立ち並ぶ敷地内を歩くと、蒸した大豆の優しい香りが漂ってきます。厳重に管理された扉を開けると、熟成されたもろみからしょうゆを搾る巨大な装置が。袋状に折りたたまれた長い布の中に、熟成したもろみを流し込み、膨らんだ布を蛇腹に折って重ねていきます。その高さは約6メートル。このように自らの重さでしょうゆが自然に搾られた後、さらに機械で圧力を加えてしょうゆを搾り切ります。「ここは夜間もスタッフが常駐して工程を管理しています」と林さん。ペットボトルやガラス瓶に充填された商品が次々と流れてくる現場では、キャップ部分を被う透明なフィルムに異常がないかどうか、目視での確認が行われていました。そのほか、原料からしょうゆこうじ、もろみ、生しょうゆ、加熱後のしょうゆまで、全段階のサンプルで味・香りをチェックするなど、機械によって自動化された工程でも、やはり人の目や舌でのチェックは欠かせないのだそうです。
広大な倉庫内には箱詰めされた商品が所狭しと並び、さまざまな言語のラベルと発送先が記されたタグがつけられています。シンガポール工場と世界の食卓がつながっていることを実感させられる光景です。
熟成されたもろみを試食すると、発酵した大豆ならではの濃厚なうまみが口の中に広がりました。日本人にとって味も香りもなじみ深いしょうゆが世界で愛される味となった今、キッコーマン・シンガポール工場の果たす役割はますます大きなものになりそうです。

 

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大型のタンクが整然と立ち並ぶ工場内。中にはしょうゆが貯蔵されている。
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熟成されたもろみ。大豆や小麦の細かな粒が見える。これを搾った「生しょうゆ」に火入れ(加熱殺菌)を行い、容器に詰めるとしょうゆの完成。

キッコーマン・シンガポール
www.kikkoman.com.sg

見学の問い合わせはhhayashi@ksp.com.sgまたは+65-6758-8822まで。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.293(2015年12月7日発行)」に掲載されたものです。

取材・写真:鈴木 雪子

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