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熱帯綺羅

2010年11月1日

トロピカル・ガーデンのあるオフィスを訪ねて

シンガポール経済の中枢で高層ビルの建ち並ぶシェントンウェイの一角に、緑に囲まれた一軒家のオフィスがあります。半信半疑で訪ねてみると、その場所は、シェントンウェイの旧シンガポール・ポリテクニック校跡地にありました。シンガポール・ポリテクニック校は、東南アジア初の工業専門学校として1954年に設立、5年後にこのキャンパスを完成させました。生徒数の増加のため、1974年にドーバーロードの新校舎に移転した後、50年代の風情を残した校舎と広い敷地はそのまま残され、現在では様々なオフィスが入居しています。その旧キャンパスで、守衛たちのガードハウスだったと思われるゲート近くの平屋が、今では建築事務所の「フォームワークス・アーキテクツ」と、ランドスケープデザイン事務所「サラダ・ドレッシング」のオフィスとなっているのです。

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建築事務所の「フォームワークス・アーキテクツ」とランドスケープデザイン事務所「サラダ・ドレッシング」のオフィスの応接スペース。壁面のくじゃくの絵は、チャンさんが直に描いたもの。

 

都心で深呼吸のできるオフィス

建物に入ると、自然光が優しく差し込み、旅先で見つけたような珍しいオブジェと機能的な家具とが調和したリビングルームのような応接スペースへと招かれます。建物の反対側には、熱帯植物が気持ちよさげに生え揃った、緑がまぶしいテラスが見えます。敷地の壁を隔てた反対側には、今でも古いモスクがあるため、ジャングルのように生い茂る背の高い木々が並び、高層ビル群を隠してしまう絶好の緑の壁。スタッフが仕事をする部屋の庭に面した部分は、昔ながらの鉄のフレームにガラスの入った窓で仕切られていて、ドアからすぐ庭に出る事ができます。水草がたっぷりと浮かぶ庭の人工池には色とりどりの魚達が泳ぎ、蚊の繁殖を防いでいるんだとか。オフィスの足下の板張りの床も、不揃いな塗装が残る古木の感じがやさしいイメージ。

「取り壊した建物に使われていた木材をリサイクルして床板に使う等、欧米にはある発想でも、シンガポールではまだ珍しい使い方かも」と、サラダ・ドレッシングの代表チャン・ホァイヤンさんはいいます。オフィスであっても、自然を身近に感じられるようデザインしたと言うチャンさんとパートナーのセンスが光ります。

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生産性も一気に高まりそうな緑に囲まれたワークステーション。(写真提供:サラダ・ドレッシング)
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ブラック&ホワイトの一軒家、オフィスの入り口。

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