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熱帯綺羅

2011年2月14日

新年への願いを筮竹に託す「観音堂佛祖廟」

旧正月前夜、日本の大晦日に当たる2月2日夜、ブギスの中国寺院は大勢の信者で賑わっていました。ここはシンガポールで最も古く、最も人気のある寺院のひとつとして知られている観音堂佛祖廟(Kwan Im Thong Hood Cho Temple)。1884年、ウォータールー・ストリートに建立され、その後何度か建て替えられましたが19世紀の中国寺院の様式はそのままで、シンガポール・ヘリテージ・ボードから文化遺産に認定されています。本堂には観音菩薩(Goddess of Marcy)が祀られており、健康や学業を司る慈母菩薩として崇められています。菩薩はサンスクリット語ではアヴァローキテーシュヴァラ(Avalokiteśvara)。もともとはヒンズー教の女神様だったとのこと。この寺院はシンガポールに住む中華系の仏教徒および道教徒の信仰を集めています。

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観音堂は他宗教の人々にも門戸を開放している。

100本の観音筮に祈りを込め、陰陽で確認

龍の彫刻が施された門をくぐり、入口でお線香に火を灯して、いよいよ本堂へ。大勢の人々がひざまずいて竹ひご入りの筒を振っているため、シャンシャン、シャンシャンという威勢のいい音が響いています。竹ひごは観音筮(Kuan Yin Qian)と呼ばれる筮竹のような棒です。人生の岐路に立たされた人々が、最後の決断を菩薩に託しているそうです。

100本の観音筮が入った筒は右奥のカウンターで受け取ることができます。同時にピンク色の花びら型のお札も2枚、もらってくるのを忘れないように。

筒を両手に持ち、心の中で自分の名前と住所、年齢、そして干支を唱えます。次に菩薩に聞きたいことを念じます。たとえばあなたが転職を考えている場合は「○○という会社からのオファーを受け入れた方がいいでしょうか」というように。この質問を唱えながら筒を斜めに持って振り続けると、やがて100本のうち1本が飛び出して落ちます。次にピンク色のお札を振って一枚が表、もう一枚が裏となれば、さきに落ちた観音筮の番号はあなたの質問の答えであることが確認されます。お札は陰陽を表すものなので、両方が表、あるいは両方が裏を示した場合はバランスが崩れている、つまりさきほどの観音筮は間違った番号のものなので、筒に戻してもう一度振ります。

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一心に祈りを捧げる人々。どんな思いを託しているのだろうか。

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おみくじの意味を説明する専門のガイドさんもいる。

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