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熱帯綺羅

2011年8月1日

シンガポールのアートを30年間パトロネージュ

「UOBペインティング・オブ・ザ・イヤー・コンペティション」

近年一層盛り上がるシンガポールのアートシーン。教育システムや施設の充実など、インフラの整備を推進するダイナミックな政府の後押しの一方で、過去30年もの間、一度も途切れることなくアートを支援してきた企業パトロンが存在します。

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最終段階の審議の様子。審査員長の南洋芸術学院の学院長チュー・ティアムシュー氏(左から3番目)を中心に、福岡アジア美術館の学芸員黒田雷児氏(左から2番目)のほか、タイ、オーストラリアからも審査員が招聘され、国内外の有識者6名が審査にあたった。

企業によるパトロネージュの旗手として

年に一度、UOBグループが主宰する「UOBペインティング・オブ・ザ・イヤー・コンペティション(UOBPOY)」は、シンガポール国内で最大規模をもつ絵画コンペティション。UOB銀行に代表されるUOBグループは、1973年よりローカルのアーティスト達の作品を蒐集し、彼らの活動をサポートしてきました。その収蔵作品は約1,500点を超え、ラッフルズプレイスのUOBビルディングを始め、世界中に500ある支店にそれぞれ展示されています。また、UOBビルディングには、そのコレクションを定期的に入れ替えて展示する常設スペースがあります。

UOBPOYは、1982年より開催され、シンガポールでアートのキャリアを追求する人々を奨励し、優れた作品を認知し世に送り出すことを目的として創設されました。毎年海外と当地の有識者を審査員に迎え、1名の最高賞には賞金3万ドル、プラチナ賞5名には各1万ドルなどが贈られるほか、13才から18才までを対象とするユース(若手)部門を設置するなど、幅広い年齢層に対応しています。これまで、政府からの文化殊勲賞を受賞したゴー・ベンクワン、トーマス・イェオ、チュワ・エッケイ、アンソニー・プーンなどは、いずれもUOBPOY最高賞の受賞歴があります。

過去30年の間には経済金融危機などを経験しながらも、UOBグループは一貫してアートを奨励する姿勢を貫き、UOBPOYも継続されてきました。実際シンガポールにはほかにも企業主催の大型アートコンペティションがありましたが、諸々の理由で数年前に姿を消し、現在は、UOBPOYを残すのみです。

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2011年の最高賞UOBPOY2011に輝いたゴン・ヤオミン氏の「MY DREAMLAND」。

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ユース部門最優秀賞カミーユ・ルイ・ガルシア・バレテさんとその作品。

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