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熱帯綺羅

2013年10月7日

28年ぶりの新硬貨、国のランドマークをデザイン

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真新しい輝きを放つ第3シリーズの硬貨が世に出て3ヵ月余。新旧2種類の硬貨が混在する日常に慣れつつも、新硬貨を手に取るたびに新しい発見があります。

 

 

第3シリーズ硬貨のデザイン

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シンガポールの硬貨は、独立後1967年に発行された第1シリーズでは「海洋生物」が、1987年に発行された第2シリーズでは地域特有の「植物」がテーマのデザインでした。今年6月25日に流通開始となった第3シリーズの硬貨は、「国のシンボルとランドマーク」がテーマの5種類。1ドルには国を代表するシンボル「マーライオン」、50セントには国の発展を支えた「シンガポール港」、20セントには数々のランキングで世界一と評される「チャンギ国際空港」、10セントには80%以上の国民が住む公営住宅「HDB」、5セントには通称ドリアンと呼ばれる総合芸術施設「エスプラネード」がデザインされています。

 

新硬貨が発行されることになった背景には、時代に合ったデザインで老若男女の認知度を高めることや、技術革新による高い偽造防止技術を採用すること、さらに製造コストを削減するという目的があります。シンガポール金融庁によれば、実際に35〜40%のコストが削減できているとのこと。デザインは官民からなる選考委員会に検討されました。採用されなかったデザイン候補には、コロニアル建築(より発展的なイメージの方が良いということで選外)、大統領官邸イスタナ(誰もが容易に識別できるデザイン化が難しいという理由で選外)のほか、昨年オープンしたばかりの植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」も候補に上がりましたが、選考当時は未完成だったために採用されなかったとか。選考時期が数年後であれば現在世界的に知られるカジノ総合リゾート施設「マリーナベイ・サンズ」などマリーナベイ地区の建築群が採用されていたかもしれません。

 

 

硬貨の裏側には引き続きシンガポールの紋章が中央に配置され、周辺にはシンガポールの4つの公用語(英語、マレー語、中国語、タミール語)で国名が刻まれています。近隣各国との往来が多いシンガポールでは、よく似た形状の外国の硬貨が混ざってしまうことも多いのですが、硬貨の裏側を見れば即座に判別可能です。

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