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EP厳格化!採用相談室

2018年10月31日

ローカル人材が働きやすい環境づくり

 

EPが通りにくい企業通りやすい企業

みなさんの企業にはシンガポール人は何人いますか?PRの方は何人いますか?

 

どの国籍の割合が高いのか、どの層が足りていないのか、ビザ発給に関して比率を確認・管理していますか。

 

外国人向けに発給しているビザには大きく分けてEPとS-Passがありますが、EPを取得する際は給与レンジ・職務に大きく左右されます。現在、同等な職位の方がシンガポール人でいないか第一段階で選定した後、外国人にEP発給を行うため、EPの取得期間が従来の1ヵ月程度から2~3ヵ月ほど長期化する実例も最近は増えてきました。

 

実際に内定が出たのにも関わらず、EPが取得できず企業側も泣く泣く内定取り消しを行う実例も有り、新たな外国人の就労に対して歯止めが掛かっているのが現状です。

 

ただ、EPが通りにくい企業・通りやすい企業と二極化している印象もあるため、事例を交えて紹介いたします。

 

なぜEPが通りやすく・また通りにくくなるのでしょうか。

 

 

EPが通りにくいと感じる企業様の印象については基本的に日本人や外国人に依存している企業が多く、シンガポール人が多い企業にはもちろんS-PASS枠が充実しており、ローカライズされている印象を強く感じます。

 

そのため、人事採用担当者もローカルの方が多く、採用やビザの動向に関しての知識も豊富であり、事前にMOMに目を付けられないような対策を行っている企業も多い一方で、EPが通りにくい会社は知らず知らずのうちにMOMの監視下に置かれてしまう等、シンガポールの政策の変化に気づかない場合も多いようです。

 

日系企業はどうしても駐在員を配置する必要がある職種が多いので、日本人意識が強くなりがちですが、ローカライズできるところはローカライズしていき、日本人(外国人)のバランスを保つことが今後は必須となってきます。

 

シンガポール人の雇用定着に向けて


私たちは外国人労働者としてシンガポール人の方がいるおかげで就労できています。
シンガポール人にとっても働きやすい環境づくりを行うことで、離職率の低下につながります。シンガポール政府からも“働きやすく・シンガポールコアを尊重している企業”と認められることが必要となってきます。

 

シンガポール人の定着こそが、EP・S-PASSのビザ発給への近道だと考えます。
当社のお客様からなかなかシンガポール人が定着せず、試用期間中に辞めてしまうという相談を受けることが多いのですが、定着しない理由を考えてみましょう。

 

実際に私が感じたことですが、日系企業では日本語が飛び交っており、日本語が話せない地元の人材が孤独を感じていたことがありました。話が理解できないまま、相互関係が悪くなり退職に至るケースも多々あります。

 

日系だから全て日本人感覚に合わせるということではなく、シンガポールにいるからこそ地元の人材との協調が必要となってきます。

 

今回のまとめ

ウォッチリストに入った後から行動を起こす企業もありますが、実際に駐在員が送れなくなってしまう、採用枠がシンガポール人のみと特定されることで、募集要件がとても厳しいため中々良い候補者が集まらない等、駐在員確保、採用に関して苦戦してしまいます。

 
ビザが下りにくい、今後の採用計画について不安等の場合は、ウォッチリストに入る前に人事制度や採用について一度見直す必要があります。日本人が好きだから、日本が好きだからとあえて日系企業を選んで働いている方もいるのも事実。我々RGFはより多くの日系企業の魅力を見出し、企業の事業発展とローカル人材の今後の活躍を支援し続けてまいります。

 


お話を伺ったのは…
RGF Talent Solutions Singapore Pte. Ltd.
Team Assistant
古山 菜那さん

90年生まれ。教育学部卒業後、大手日系企業にて貿易事務を3年経験した後、2014年4月に来星。大手日系電機メーカーにて経営企画/法人営業を経て、現職にてジャパンデスクのチーム・アシスタントとして従事。主に候補者の窓口業務・チーム内事務一般を行う。趣味はゴルフ・テニス・旅行。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.339(2018年11月1日発行)」に掲載されたものです。

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