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シンガポール仕事談義

2018年4月25日

餅は餅屋。ローカル人材を正しく雇用し、正しく定着させるために

今回のテーマ: 企業成長のキーポイント“ローカル人材採用と 定着率UP”について

 

海外で事業活動を行う日系企業にとって、ローカル人材採用の重要性は言うまでもありません。ローカル人材ならではの視点や経験を、必要な役割として雇用する。まさに“餅は餅屋”ですよね。まして、外国人労働ビザの発行規制・厳格化が続いている昨今のシンガポールでは、なおさらです。

 

そこで、当社がローカル人材を正しく雇用し、正しく定着させるために必要だと考えていることを具体的な例を交えながら、ご紹介したいと思います。

 

これが必要!その1
採用面接の目的と標準化

面接を終えたローカル候補者の方からのフィードバックで意外と多いのが、「会社の事業内容や求人内容、社内の現状に関しての説明がなく、具体的な仕事のイメージが湧かなかった」というものです。そこにはもちろん、日・英の言語バリアが理由の1つとして挙げられることもありますが、採用面接の目的を明確にしていない企業が多いのも事実です。

 

当社では採用面接を大きく2段階に分け、それぞれの段階に相応しい面接官をアサインしています。

 

1段階目: “相互理解”
 会社概要、事業内容、企業ポリシー(社風)、求人詳細と当社が求めている人材像をスライドで説明。「知らなかった」「聞いていない」などといったトラブルを未然に防ぎます。その後、候補者の履歴書詳細を確認しながら、これまでの経験について深堀りして聞くとともに、企業選びの基準や転職先に求めるもの、自身のキャリアに対する中長期ビジョンなどを確認します。

 

2段階目: “スキルチェックと条件交渉” 
当社が求める役割を担うためのスキルの有無を実戦形式で確認し、最後に希望給与を確認します。また、それぞれの面接結果を評価シートに記録することで、面接官が代わる際の引継ぎだけでなく、選考基準の標準化にも使用できます。このように、採用面接目的の設定と内容の準備、そして記録を標準化することが、ローカル人材を正しく雇用するために重要なことだと考えております。

 

これが必要!その2
コミュニケーションと人事評価

また、採用した人材が定着しなければ、採用・育成にかかったコストは報われません。2~3年で転職を繰り返すと言われるシンガポールのローカル人材市場において、定着率の向上こそが、事業そのものの生産性向上に大きく寄与することは間違いありません。これまで約5年間、ローカル人材のマネジメントに携わってきた中で特に強く感じるのは、ローカル従業員は日本人よりも、上司や企業からの評価をより具体的に求める傾向にあるということです。これは、シンガポールの “契約社会”が背景にあるのかもしれません。事前に職務内容を明確にしておきたいのはもちろん、上司の求める定量面・定性面での“期待”とその結果に対する評価 (フィードバック)を求める方が多いように思います。

 

そこで、入社直後に“期待”を伝え、その結果については月毎や四半期毎に評価面談という形で各個人とコミュニケーションの機会を持つことが重要です。言語や文化の壁を億劫に感じ、ついつい後回しにしてしまうこともありますが、我々が考えていることは50%も伝わらない、と決め込んだ上で、意識してコミュニケーションの場を設定するのが良いでしょう。

 

当社には様々な経験が蓄積しております。人材採用の際はもちろん、人事周りの様々な課題や疑問等をお持ちでしたら、いち人材エージェントとしてではなく、外国人として異国の地シンガポールで奮闘することを選んだ“同志”として、是非Good Job Creationsにお声掛けいただけますと幸いです。

 


お話を伺ったのは…
Good Job Creations (Singapore) Pte. Ltd.
Managing Director
芝崎 公哉さん

 

1986年生まれ。北欧圏に長期留学した後ウィルグループ入社。人材派遣コンサルタント、フィリピンでの新規事業の立ち上げなどを経て2013年にシンガポールへ。18年、Good Job CreationsのManaging Directorに就任。趣味は音楽とフットサル。

 

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.333(2018年5月1日発行)」に掲載されたものです。

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